6/27/2016

MixCloudの音質(2016年6月10日現在)

プロアマ問わず、DJと呼ばれる分野に携わっている方なら利用した事がある、又は目下誠意利用中の方も多いでしょうMixCloud。https://www.mixcloud.com

同様のクラウドサービスにはSoundCloudという物もありますが、今回はMixCloudについてのみ、他所では一切記述されていない部分を書いてみます。

[アップロード可能なファイル形式]

MP3
AAC(Apple LossLess含む)
M4A(Apple LossLess含む)
MP4(Apple LossLess含む)
OGG

何れも1ファイル500MBまで。

[アップロード後の再エンコード]

現在、回避不能。とにかく上がったファイル全てに対して、サーバー側で再度エンコードが行われます。今回の話題は、この部分。

コンテナ:m4a
内訳:AAC 44.10kHz 2.0ch(2/0 L+R) HE(SBR) 70.12kb/s
Apple iTunes AAC-LC Audio
コーデック: MPEG AAC Audio (mp4a)
チャンネル: ステレオ
サンプリングレート: 44100 Hz
AAC拡張: SBR





6/12/2016

東広島FMという「素人がやってるの?」ってラジオの品質が壊滅的

元ソースはお聞かせできないので幾分内輪ネタになるかとは思います。というか、最近、見当違いの事を言うアホ、しかもですよ、どうやらその人は放送局関係(とあるコミュニティーFMのスタッフとか言ってます)の人っぽいのです(ホントかどうかは疑わしいですけど)、まあ、今回の記事と合わせて、

こちら(「アナログOPTIMOD導入してまぁ~す。デジタル機には出せないアナログのよさが有りま~す」とかいうアホども達)もどうぞ

で本題。今回は、広島のコミュニティーFM。もうここでは名前挙げても良いですよね。ってか隠蔽体質である日本に、ズバっと切り込みます。実際に周知させる事で、改善への運びとなれる事を願って、名前を出しますが、東広島FMとかいうコミュニティーラジオです。しかも、全てかどうかは分かりませんが、リスナーからの「音が割れている」などの明らかな放送品質に問題がある報告すら無視し、音が頗る宜しく無いっていうのは、ラジオを愛する人の中ではワリと通っているようなのです。しかも、本来有ってはならない、ステレオドロップ現象+歪み付き。

私は、かつて、これほど酷い音のラジオを聞いた事がありませんでした。そもそもコミュニティーFMラジオというのは日本だけでして、その概念からして我が国にはありません。出力も20W以下という小さな物。しかしですね、100MHzバンドってのは理想的なアンテナ長を波長から計算しますと、概ね1m程度で済んでしまうバンドと言う事もあり、つまり簡単に言うと、その長さのアンテナさえ使用すれば、理想のサービスエリアを簡単に構築出来るのです。比較として、MWバンドのAMラジオの理想アンテナ波長は、160m。つまり、160mのアンテナを設置して始めてその放射効率が得られます。勿論、アンテナ自体のマッチングを保持し、送信機へのミスマッチングによる戻り波を抑える事は、それよりも小さなアンテナでも可能です。所謂ローディングコイルってやつです。そのコイルを使う事にょって、160m必要なところ、僅か3m程度にまで小さくする事が出来るのです。ただ、アンテナとしての整合(マッチング)が取れても、実際にアンテナから放射される電波の量は、本来160m時に空中へと放射される電波の1%程度になります。

アンテナには、複数段の主エレメントを接続し、多段アンテナ化する事で、アンテナ利得を稼いでる物も存在します。多段コリニアアンテナなどが代表例。又は、同じアンテナを複数使用した、所謂スタック形態でも同様。

しかし

160mもの大きさのアンテナを160mの間隔を開けて複数個設置するとなると、送信所の土地面積も広く必要になります。あまり理想的とは言えません。しかし、それとは違い、100MHzバンドですと、波長自体が短いわけですので、小さなアンテナを多段接続、又はスタック化させる事も容易で、概ねFM放送ではほぼ標準的である円偏波アンテナも大抵は複数個使われます。最近撮影してきた写真で恐縮ですが↓


(FM送信用(1KW用)円偏波2スタックアンテナ。アンテナ上下の幅は1.2m)

如何に小さいかが分かります。つまり、大きな送信所を必要とせず、特に100W以下のLPFMならば、スタジオがあるビルの屋上にでも設置すれば、そのビルの高さからのエリアは相当な物になります。ぶっちゃけ言うと、免許云々は別としても、アマチュアラジオの初級ライセンスレベルの知識で、尚且つ高層アパートメントに住んでれば誰でも開局できてしまうのです。ただ、そこはやはり、しっかりと電波を管理し、電波の品質などを含めたマネージメントが必要にはなりますでしょう。

しかし

この東広島FMには、そのマネージメントにおいて、聊か疑問であるのです。確かに、FMは、そこまで高音質にする必要はありません。FMだからと言ってステレオである必要性も無いのです。トークが多いAMラジオの補完FM局は、日本ではステレオの率が高いようですが、意味が分かりません(我が国ではモノラル局のほうが多い)。補完局の話しはまた別の機会にしますが、このFM局、

歪むんです!

音楽が主体で歪むのでしたら、単に試聴者が遠のいて、はい終了っていうお手軽末路でしょうけど、コミュニティーFMは、地域密着型の情報発信媒体ってのが大義名分。つまり、情報発信は声が主体となるわけです。しかし、もし、サ行の発音に対して音が歪んで、その一文字が聞き取れなかったら、一体どうするのか、です。実際はそこまで深刻な例えでは無いでしょうけど、このFM局のスタッフは、自分のところの音を、キッチリとエアモニタリングしたのか?っていう疑問さえ浮かぶレベルなのです。

OPTIMODのアナログ機わ~、デジタルでわ~、出せないぃ~良さが~あるよねぇ~、とかいうアホの話の時にも挙げましたが、サービスエリアの違い、つまりコミュニティーFMであろうが、大電力局であろうが、んなもん関係あるかボケ、って事なのです。 勿論、放送局だけの話ではなく、それを監督すべき機関の怠慢である、とも言えるのです。

恥晒しとはならぬよう、今後の改善を願いたいところです。




でですよ、本題です。恐らくは、この系統の音だと思います。

今まで作ってきた各種送信装置については、このような音になる特性の物は一つも無く、ってかそんな特性の物がケースに組み上がったら、それ失敗作です。回路設計自体を見直してます。なので゜、必然的にそんな品質の送信機は手元にはなく、再現しようにも無理だと思ってたのですが、

作りました。

と言っても、以前のGFモジュールに、±100KHz程度(FM放送は±75KHz変移)まで変調する事の出来る回路を付けて、Atmegaマイコンで音響処理を簡易的に作り出しました。




ポイントは、幾ら最悪の東広島FMだとしても、送信機に関しては、小学生の工作レベルってわけではなく、ちゃんとしたメーカーの物を使用していると仮定します。だとすると、そもそも送信機には、FMステレオのパイロット信号である19KHzへと、音楽などの信号が干渉しないよう、LPFが入っている、とこちらも仮定しておきます。だとすると、そのLPFはとりあえず取り外さない事にし、その上で、予想されていた、

フルバンドコンプレッサー

EQで高音を少し持ち上げている

送信機(プリエンファシスは50usと仮定)

この形態を保持しつつ、やってみたのがこちら

実はカーペンターズのTop of the Worldは、パーカッションのハイハットの音が鬼のような倍音を含んでおりまして、案の定、9KHz付近に出現するパーカッションの音に反応して、ステレオへの干渉が確認出来ております。ただ、この倍音成分は、特に特殊というわけでもなく、パッシブ2ポール程度のLPFでも十分に取り除く事が出来るような物なのです。

つまり

送信機に突っ込む音を、めっちゃ頑張って余計な事さえしなければ防げているはずの歪が、東広島FMには存在するようなのです。勿論、受信チューナーにもよるでしょうけど、私が受け取ったレポートでは、概ね、据え置き型のチューナー(音声出力に19KHzがもれ出していてちょっと質は宜しく無い)と、カーチューナーによる受信レポートでした。両方でこの東広島FMの音が時折歪み、ステレオドロップが発生してました。

余計な事をしなければならない理由が分からないところではありますが、確かに、LPFが介入しますと、高音域は犠牲になります。しかしながら、その犠牲も込みで、最低限のFM放送の品質であり、そこからお財布に余裕があれば、OPTIMOD, Omniaなどのプロセッサーを導入すれば良いのです。

以上です。




6/11/2016

OPTIMODアナログ機は、デジタルには出せないアナログのよさが有りますよね

誰が、とは言いませんが、特に日本の界隈で耳にするバカなラジオ好きの言葉があります。それは

「やっぱりアナログ機は温かみが有っていいね」

「アナログOPTIMOD導入してます。デジタルには出せないアナログのよさが有りますよね」

バカですか?



(というか実は↑の人は知ってます。完全に先入観で会話される人でした。所謂、自分中心。一度フォローされましたが、高確率でこちらのプロフィールや普段の発言を全く見ていない感じでした。コミュニティーFMの人ってのも疑わしいですが、そこはどうでも良いのです。所謂、こちらを全く理解しようとされなかった人でした。なので、完全に先入観、それだけで語る人なんだなー、って印象です。)

だったら、今から挙げるサンプル音を聞いて、どれがアナログ機かを当ててみて下さい。プリセットや既存の設定は一切使わず、こちらの民放局の音を基準に、全てがほぼ同じ周波数特性、ダイナミックレンジ特性になるようにチューニングし、使用するFM送信機へとMPX入力し、ONKYO T-422で受信しております。当てたら、素晴らしい!、私が謝ります。

Sample 001 [flac lossless]
Sample 002 [flac lossless]
Sample 003 [flac lossless]

Sample C001 [flac lossless]
Sample C002 [flac lossless]
Sample C003 [flac lossless]


因みに言いますが、私には、この試聴テストを受ける側だとしたら、デジタルかアナログの違いは、全く分かりません。更に、OPTIMODの、どの機種なのかすらも分かりません。当てずっぽうで答える事は出来ても、その明確な、それである、との理由は挙げれる自信はないです。音質から、「ああ、この音は、凡そどのようにして作られているか」程度は何となく分かります。

本質を見失ってて感覚的に、アナログにはデジタルに出せない音が、とか言うのは、どうかと思うんです。じゃあ、実際に、どういう音がデジタルには出せないのか、具体的な例があれば、聞いてみたいです。これが例えば、アナログレコードとデジタルCDの違いならば分かります。しかし、OPTIMODの世界では、アナログ機にはデジタル機には無い良さがある、とか、そもそも、デジタル機ではアナログ機の音は出せない、とか言うのは、音に対する理解と、その音を出そうとする為に用いる道具を隅々まで理解してません。音を細部まで分解し、今鳴ってるアナログ機からの音をデジタル機でどのようにすれば再現可能かを考えると、余裕で「可能」と言えます。再現できない、ってのは、ただ単に、あなたの音響に対する技術力が無いだけなのです。

そもそも、特にOPTIMODは、アナログ音響のプロフェッショナルが開発し、現代ではそれを、DSP技術によって、次世代の開発陣へと受け継いでデジタル機が誕生したわけです。そこに妥協は許されません。特にOPTIMODは、その歪特性に至ってまで、アナログ機を100%、再現しております。本当に突き詰めていじって、尚且つ、アナログ機の回路図、そして、デジタル機のDSPの内部構造、コーディングなどを全て研究しておれば、アナログ機、デジタル機、その両者に違いは全く無い事が伺えます。

では、本当に違いが無いのか?

それに対しては、違いが有ります。それは、アナログ、デジタルの違いなのではなく、各種パラメーターの設定の違いなのです。当然、暖かい音を出そうとしたチューニングならば、暖かい音として送出されます。逆に、硬い音の代名詞でもあるデジタル的な音へのチューニングを施せば、それはデジタル的な音になるのです。

デジタルには出せないアナログのよさが有りますよね

とか言うアホは、本当に音を理解しているのか?という疑問すら伺えます。そういうヤツが放送局の音響を担当したりしているのを見ると


もう転職しろ!


って言いたくなります。正直、怒りすら覚えます。

勿論、デジタル、アナログ、その違いを語るのは結構な事です。それが感覚的だとしてもです。ただ、決め付けたようなセリフを吐くのは、いかにも素人丸出しである、と言えます。コミュニティーFM局だから?いや、ちゃんと免許を与えられた局に、大電力局もコミュニティーFMもありません。確かにアナログには温かみがある、って事が実しやかに囁かれたりしますが、果たしてそうなのか?、って部分で追求して行くと、必ずボロが出ます。

ただ、アナログ機とデジタル機が全く同じ物か、というと、それは違います。というか、これは素人でも分かりますよね。回路的にもそうです。ぶっちゃけますと、アナログ機では、デジタル機の音を再現するのは、不可能では無いガ難易度が相当に上がります。だって、アナログですもん。デジタルのような多種多様な音を作り出せる物とは違い、限られた音しか出せないのです。つまり


優位になってるのはデジタル機


これは、まぎれもない事実なのです。


では、本当にアナログ機の次なる機器として、その役割を果たせるか、って部分については、実質的な問題もあります。しかしそれは、音質の問題ではありません。


そう、


デジタル機には、目に見えての遅延が発生します。所謂、レイテンシーってやつです。アナログ信号から入力とする場合にはそれが顕著に現れます。内部的には、アナログをデジタルへと変換し、DSPへと接続されてます。そして、また出口では、アナログのMPX信号へと変換されるわけです。この、A/D, D/A変換において、遅延をゼロにする事は、不可能。ましてや、DSPというプロセスが介入する事で、デジタル信号を計算によって様々な処理を行います。マルチバンドコンプレッション、周波数分解、オーバーシュート、クリッパー、プリエンファシスなど、とにかくOPTIMODには単純なDSPでは太刀打ちできないような内部処理が要求されるのです。その処理が、数値計算によって成されている訳です。MP3エンコードや動画エンコードに時間がかかったりするのも、数値計算による処理の為です。勿論、CPUの高速化によって、有る程度は時間短縮は可能になっておりますが、OPTIMODには独自に開発されたDSPチップが搭載されています。しかし、計算という行程が介入する事で、それに対する処理時間は今後も付きまとうのです。特にデジタル機であるOPTIMOD 8600には、全ての処理ブロックを使ってのフルエフェクトも使えますが、プリセットによっても、その遅延時間は変わってきます。入力された音が最終的にFMラジオから聞こえるまでの時間は、下手すれば50msに達する場合も有ります。50msもの遅延が発生しますと、OPTIMODを通した音をモニタリングしながらナレーションやMCなどを行う事は、かなりのストレスになります。自分の耳には遅れて聞こえるのですからね。

こういったデジタル機ならではの、数値計算が必要な部分での遅延問題というのは、実際にはありまして、そういう実質的な問題を挙げて、

「アナログには遅延が無いので良いよね」

とか言うのでしたら納得なのです。

しかし

デジタルには出せないアナログのよさが有りますよね

ってのは、なかなかに頭の悪そうなプロが発言するのはどうなのかな、って思う発言だと思います(こっちでそんな発言したら、確実に、「ふっ」って感じで鼻で笑われます…経験有り-_-;)。



いや、経験有りって書きましたが、その時は、OPTIMODの事を指し示してお話していたわけでは無かったのですけどね。まっそれは良いです。

なので、本当にOPTIMODが好きな人は、↑このような変な感覚を持つ事が無いようにしましょう。

余談ですが、アナログ機を心から愛しているエンジニアさんは、デジタル機を否定しません。中には頑なにアナログ機を使い続ける人もいますが、私がよく聞くWJLBのスタッフさんは、このような事をおっしゃってました。


「僕はデジタル機に1週間、触れてみたんだ。でも、僕にはデジタル機を扱いこなすスキルが無い、って事だけが、触れた事での収穫だったのさ。別に良いさ。世代交代とするならば、僕も共に引退するだけ。デジタル機でいつかこの音を継いでくれる人が現れたら、僕はその人に全てを託す。この前、NYの局の音を聞いたんだけど、恥ずかしながら、僕は、「まだアナログ使ってる局がNYのような大都市に存在したんだ」って思って嬉しくなったね。でもね、その局、デジタル機の8500だったのよ(笑)。正直、デジタル機から伝わるあの暖かさは、往々にして冷たくなっちまうデジタル機を理解し、アナログのような暖かさを出せるエンジニアの賜物だと思ったね。僕のようにアナログに固執するのは、自分でもどうかとは思うけど、僕にはデジタル機は高貴過ぎるのさ。だから今でもアナログ機を修理しながら使い続ける事に決めた」


黒人さんでしたが、周りがどんどんデジタル機になっていく中で、取り残された感を感じてか、お話を伺った時の表情は若干悲しげに思えました。でも、


これがプロだ!


って思いましたね。カッコ良いように思えますが、そうではなく、これが当たり前の姿なんだな、と。




[簡単にまとめます]


アナログ機には、デジタル機には出せない良さがある


それは


デジタル機をどこまで知った上での発言ですか?


本当にデジタル機で、アナログ機の音を極限にまで追求した上での発言ですか?


最後にもう一度言いますが、


私には、デジタル機、アナログ機の違いは、全く分かりません。



なので、アナログ機は素晴らしい、デジタル機は素晴らしい、又はその逆を、公の場で語る事は一切しておりません。以前、私の事をアナログ機専門の人、とか勘違いされましたが、それもまたアホの所業です。