「SNSで散見される遠距離受信は、遠距離でも何でもなく、受信できて当然の局を受信が容易にできる場所で受信をし「俺凄い」や「良いロケーション見つけた」などと言ってるだけ。同じ受信機をその場所に持っていけば誰でも可能な事だ。違う事をするならば、バーベキューコンロと手作りのチップスを持って行く事くらいだろう。本当に遠距離受信をする努力というのは、受信機を買う為、アンテナを買う為に仕事をするのではなく、受信機回路ブック、アンテナハンドブックなどの設計資料を購入し、ノウハウを勉強し自分でそれらを作って成し得られるのが遠距離受信なのさ。」
カリフォルニアに在住されているK氏。実はもうかなりの御歳(90歳)なのですが、彼を中心として、遠距離受信、所謂DXを行っているチームが存在します。歴史は第二次大戦中から始まっているらしいです。恐らくは現在、個人レベルでは世界でトップの受信能力を持つ、HAMで言うとクラブのような物でしょう。その方から上記の台詞を言われ、私も『そこそこ』かとは思いましたが、この方々と違うのは、私は完全にデジタルに頼っている点でしょうか。K氏のチームはWW2時代からと言う事からも、アナログです。以前話題にしました、複数拠点を結んで、巨大なアンテナを構築する部分にこそデジタル技術が使われてますが、なんとその技術をまだコンピューターが浸透していない1970年代に行っていたというから驚きです。
こう言うと御幣があるかもですが、インターネットが出来る数十年も前に、それと似たようなネットワークを構築されていた事になります。とは言っても、電話回線がメインになっていたそうですけどね。
因みに、K氏のチームの話題は、確かに遠距離受信なのですが、放送されている内容ではなく、専らその手法を中心とした所謂、技術的な会話でした。私は特別にその会話に参加させてもらいましたが
思った事
私のやってる事はシルバニアファミリーにキラキラシールを使ってデコレーションしているレベルである
って点で、若干恥ずかしくなりました。 言い訳させてもらうと、K氏のチームが語っている内容が、例えばスーパーヘテロダイン部分の中間周波数のフィルターには、***という球は使うべきではない。なぜならば、あの球は…といった具合に、私の苦手とする真空管をベースに会話が交わされていたのです。基本的には真空管は電圧増幅デバイスである事から、半導体ではFETが一応、動作原理は(同じではないが)限りなく近いって事で、脳内でFETに換算して聞いてたら
「ところでたるるちゃん、今、頭の中で真空管をFETに置き換えて納得しているだろう?」
って言われ、見透かされてました(≧▽≦)。だってもう、半導体はノイズを出す、とか、消えそうな信号を最後まで諦めずに扱えるのは真空管だけだ、とか、そんな事言われてもよく分かんないんですもん-_-;。
あ、でも、頑固親父な人達なのではなく、夏の休暇にはハーレーに乗って砂漠を横断すると言ったアグレッシブな方々です。因みに、その場合はラジオや遠距離受信の事は持ち込まないのが主義だそうで。間違えても、お出かけ先での受信などはタブーだそうです(≧▽≦)。 理由は、受信したくてその局の近くに行くんだったら、もう最初からそこに引っ越せば良い、という若干強引なご意見をお持ちでした。
またBCLとは違い、所謂免許の不要なCB無線でも、凄まじい能力を発揮されてます。CB無線は12W(SSB)が認められている無線通信ですが、たった0.5Wで、カリフォルニア⇔イギリスは余裕だそうです。もちろん、アンテナは自作どころか、CB無線機まで自作(クリスタル方式)。
勝てないどころか
張り合える事すら出来ませんでしょ!
因みに現在は、若い方もチームに入っているようで(概ね息子さんなど)、その方々はデジタル技術をチームに提供されているようです。
勿論
彼らのシステムでは、日本の主要民間放送局は、ステレオ復調は余裕のようです。そりゃそうですわ。アメリカ合衆国のあちこちに点在するアレイアンテナネットワークにより、見かけ上は、アメリカ合衆国の土地面積同等の大きさのアンテナで受信するわけですからね。因みに、
個人レベルです!
デジタルは音が硬い、とか、デジタル受信は音が悪いとか、デジタル機器はノイズ発生させるからダメ、と言った言葉はまったくなく、実際に日本のFM放送の受信にはデジタル技術がなければ難しいそうです。
「難しい???」
不可能ではなく「難しい?」
掘り下げて尋ねると、1980年代にはすでに、アナログ技術のみで日本のFMは補足済みだったようです。しかも、電話で遠方の受信地点にいる方々と口頭で
「A地点、24°。B地点、142°。」
と言ったアンテナの向きと位相を指示しながら受信を行っていたという((( ;゚Д゚)))ガクガクブルブル 。 そして、K氏は私と同じ、日本大好きな人のようで、カタコトですが日本語が話せます。
「遠距離受信をするのに、例えばロシアの局を受信しても、内容が全く分からなければ意味が無いよね。それに、相手に失礼だ」
おぅ!
お話に参加させて頂いた時は、つい最近、自宅の敷地に建設した、高さ180mの中波バンドのアンテナが倒壊してしまった、という話を聞きました。因みに、センターの180mポールアンテナの周りをグルっと一周、同様のポールを169~180m、つまり半径180mの位置に、レールを敷き詰め、中波バンドの指向性アンテナ(周りを一周しているレールに乗せたポールを動かす事でローテーターのような役目を発揮)を建造中だったそうですが、竜巻によって倒壊してしまったそうです。
個人レベルのお話です!!!
とにかく、ここ最近は、この方々からの知識を得る事に快感を覚えてます。本当に特別に、ですが、メーリングリストに入れてもらえました゚ヽ(*´∀`)ノ。ただ、私の頭にある知識を声高々に語れる場面はありません。理由は、
私のやっている事などは、ビギナーに過ぎないからです
たぶんですが、私が誇る事が出来るとすれば、14000km離れた日本の首都高速を走る車で使用されているカーラジオ用FMトランスミッターからの信号をステレオで受信できるぜ、って事ならば、K氏の注目を集める事が出来そうです(流石に無理ですけどね/理論上は可能)