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10/11/2017

ラジオコイルを巻くのであります~小豆ラジオ~

フェライトインダクター、所謂AMラジオ用のバーアンテナであります。ディップメーター又は、測定周波数が10MHz付近のLCメーターが必要になりますが、一番理想的なのはやはり、使用する周波数で測定が出来るディップメーターが理想であります。数百キロヘルツ程度の簡易的なLCメーターでも可能でしょうけど、かなり誤差が出ますので、そういう場合はちゃんとした基準となるコイルを用意しておき、誤差を考慮した値として捉えるような工夫をしましょう。

印刷用紙セットの中に入っている厚紙や、トイレットペーパーの中心部分などを用意して、巻き巻きコイルのガイドにします。

厚紙をフェライトコア棒にクルクルしまして、更に適当に長さの細い厚紙をその上に被せます。

二次側を巻き、写真には収めていませんが、二次側を巻きます。

日本製です。

一時側は約650uH。

二次側は約12uH

この値は、140pFのバリコンを使用する事により、AM放送帯をカバーする事が出来ます。発振コイルは御馴染みの赤色コイルを使用し、ヘテロダインを構築します。

10/09/2017

AMラジオ送信機~小豆6号機(完成)

まず、色々と技術部などで、贈呈先はもしかして自分?俺?あたい?わっち?おいら?我輩?とか色々と言われていますのでここでハッキリさせておきますが、違います。前々から言ってますように、ツイッターフレンドさんへの贈呈でありますわね。とは言っても今回は贈呈と言うわけではなく、交換という形になりそうです。当ブログにも時々コメントして下さってます『おさもう』さんであります。単なるツイッターフレンドと言うより、普通にフレンドさんと言った感じでありますわね。



当初は交換という事には成っていなかったのですが、おさもうさん曰く、「単に一方的に頂くには申し訳ないので、自分も何か作って交換という形は如何ですか?」と言ったよう事をおっしゃりやがられまして、そうなりました。で、交換とは何か、と言いますと、実際には私からはラジオ送信機とその他諸々(通常の受信機や広帯域SDR受信機)を差し上げ、おさもうさんは、

実は既に完成されていますが
この素敵MAXなヘッドホンアンプ(ディスクリートでっせディスクリート)、私にくれるのです。私のもんじゃー(o→ܫ←)b☆イェー♪

ディスクリートというのを特にn技のやつらが聞くと、若干オカルト扱いに成り、例の個人製作&販売のアンプが購入者のヘッドホンを壊してしまうって一件を思い出されるでしょうが、ディスクリートです。

ただまあ、当初は、「私の小豆シリーズで良い物、納得できるものが出来たら差し上げます」って言いました通り、当然、そうならなければボツリヌス菌なわけです。もう確定事項のように、セコセコとおさもうさんがヘッドホンアンプをサクサク作っておられるのを横目で見つつ、私のほうはあくまで実験、試作でありました。何時ものような私の日頃の製作で、試作機として最終的には廃棄処分するような物をそのまま贈呈する、つまり、「捨てるなら誰かに上げれば良いじゃん」と言った感じとは違い、実は以前から悩んでおりました事の解消が目的でありました。それは、

あのクッソ複雑で、製作しても一発で動作する事が無さ過ぎる飛鳥と名づけたラジオ送信機シリーズを二度と作りたくは無く、かと言って新規に設計をしました回路を実際に作りたくなる、そういう時、いつもの木箱に如何に組み込むかと言う事に悩んでおりました。

要するに、どうすれば作りやすく、製作時の負担を軽減できるかを実際にアイデアを一つ一つ試して行くのだぁー

って事をするのが今回の小豆シリーズの本質でありメインであります。ここまででお分かりの通り、完全に私自身のスキルアップを目的としております。実験で実際に試作した物が出来て、それが私の中での品質基準を上回った場合、その試作機、要りますか?って声をかけたのが、おさもうさんであります。

で、贈呈する事を決めたのは、もう一つ理由がありまして、それは、例のジンクスを久し振りに検証し、統計として蓄積させたい、って所ですわね。石川さんとの間ではそのジンクスは全く働く事はなくオカルトで終わってますが(と言うかジンクスとは間逆で親交が深くなりました^-^;)、その他の方々は割とこのジンクスにガッツリハマっておられますので、贈呈する事で関係破綻に至る率のほうがまだ高い、と言った統計なのであります。こういうバカバカしい非科学的な事を信じているわけではありませんが、統計が物語る事は科学であり、それに基づいての結論としては、そのジンクスは私の中ではまだまだ「事実」として根付いております。

話を戻しましょう。

以前までは、木箱の側面に基板を取り付ける形で、フロントパネルの設置を容易にしていたのですが、そうしますとかなりの配線が必要になりまして、盛り蕎麦、ラーメンのような状況になるわけです。これを、最低限、まきまきウンチ君にしたいのです…(←ふぁ?いや、意味分からないです)。しかも製作後はメンテナンスがし辛く、ちょこっと変更しようと思うと半分以上の配線を取り除かなくては奥の方まで届かないなど、

二度と作りたくない!

って感じだったところ、お友達でもあり変態の象徴である我がブログのサブリーダーの短波倶楽部(ツイッター上での名称)の石川さんに、ボソっと言われた事が展望となりました。いや、石川さん自身もこの事については、ご自身が変態である事以外、恐らくその重要性には全く気付かれもされていない自覚もされていないのですが、私にとってはその一言が革命でありました。

それが

「立体配置って無理でしょうか??」




今まではこのように側面に基板を配置しておりました。

これが飛鳥初号機。基板の裏側が本機の前面パネルです。

そう、空間を立体的に使う事で、事前にしっかりと基板配置等をCADなどでデザインしておけば、前面パネルからスペーサーを使う事で、基板を前面パネルから一定の距離で浮かせる事が出来るわけです。いやまあ、別に石川さんに言われなくとも何れは気付いたでしょうけど、上記初号機はまだ基板を浮かせて固定するのにネジへの直付け方法を用いていますが、この後でスペーサーを使用するに至ります。

つまり、基板の裏側にある前面パネルに設置するスイッチ類にアクセスするには、この基板を固定している前面パネルのスペーサー固定ネジを外しさえすれば、全ての基板が持ち上がり、裏側のメンテナンスが可能となります。

じゃあ側面配置とどう違うかと言いますと、まだ試作機としては複数に分離して基板を作っておりますけど、完全に動作が容易な回路になれば回路を基板1枚に収束する事が出来るのです。つまり基板と基板の間の配線が不要になるわけです。これだけでもかなりの進歩であります。

【電源の問題】

今までは私の独自開発しました10MHzの変換効率98%の2次元可変速スイッチング電源(特許は申請していません)を用いていたのですが、実はその電源、非常にコストが掛かるのです(1台500$程度)。それに、問題となるグランドループ問題を解決出来ていません(効率重視)。そこで今回は電源そのものを考え直しております(実際にはまだ継続的に研究中)。

そこで、一応これを執筆時点で小豆送信機に同梱する電源システムは、一般的な降圧トランスを使用し、その後の安定化部分で、スイッチングを使う事で、トランスが吐き出す事の出来る電流容量を100%に近い効率で使用する、という案。降圧スイッチング式です。かつての時代には、降圧トランスの後に整流を行い、安定化回路にはツェナーとトランジスターを組み合わせたドロッパー式と呼ばれる物が一般的でした。これは、例えば降圧されて整流され、非安定直流25Vから15Vを安定化出力させる場合、この10Vが全て熱に変わってしまいます。熱に変わってしまった分は当然、実際に危機を動かすのには使えません。単に熱になるだけです。しかしこれでは、限られた記帳な降圧トランス出力の半分程度しか使えない事になりまして、非常に無駄であります。そこで、変換効率が90%を超えるスイッチングレギュレーターの出番なわけです。

さて、効率の問題は解決です。しかしこの時点ではまだグランドループ問題は解決しておりません。実はAMラジオ送信機はこのグランドループが結構問題になります。送信される電波に、このループによって「ぶーーーーーーーーん」と言うノイズが発生してしまうのです。解決するには、送信出力を100W以上に上げると言うのがありますが(パワーで押し切る)、別に海賊放送局を作るわけではありませんのと、ATTで減衰させて使うとしても結果的に一緒ですので、小電力送信状態という前提の上で解決しなくてはなりません。

【グランドループ】

物凄く簡単に言いますと、


さて、このような構成があったとします。mVは各機器のGND電位。実はこの電位の違いがグランドループを発生させてしまうわけです。勿論、送信機が絡むとこれに共振現象などが介入し、非常に複雑になりますが、まずこの電位の違いから、増幅回路がある機器ではその電位差を増幅してしまうわけです。更に、共振現象が発生しますと、それによって発生する信号まで増幅してしまいます。一般的にはポケットラジオなどが上記のループ、つまりループ状態のアンテナに対して共振する事でもノイズを発生させてしまいます。電源インピーダンス、信号インピーダンスの違いからも発生します。

で結論から言いますと、

GNDを少なくとも高周波的に分離すれば良いんじゃないっすか?

であります。高周波的に分離するには、そのライン内のインピーダンスを高くして経路を構成すれば良い事になります。実際には、数mHのチョークコイルなどを解すと達成可能ですが、チョークコイルが数mHにもなりますと、直流的な抵抗も発生しますので、その抵抗値が今度はコモンモードノイズなどを誘発させたり。どんどん対策しましょう。

高周波的な分離回路、コモンモードフィルターで打ち消し、更にローバスフィルター、更にはEMフィルター、更に究極なのが、

もうオーディオ信号ラインも分離!

今回、これら全ての対策を確実に嵩じた事で、グランドループ問題はほぼ解決であります。で、これを執筆時点ではまだ、オーディオ信号の分離はまだ製作しておりません。とは言ってもこれは一般的には、アイソレーショントランスフォーマー一つでOKであります。要は、送信機と物理的にオーディオラインを分離させれれば良いのです。トランスによる転送が簡単ですが、拘るのでしたら光りデジタルラインを構築しましょう。

【電源ユニットがサイズ違い】

このスペースに収める為に基板サイズを合わせたつもりが、計測ミスで基板サイズが大きいです。

やり直したのがこちらであります。うん、ピッタリ(←正しく計測したんだから当然)

何だか若干中身が汚く成ってしまいましたわね。

さて、この電源基板ですが、スイッチング周波数は実測では175KHzです。スイッチング電源回路でこのスイッチング速度と言うのはちょいと心持たないのですが、実はラジオ送信機と言うこともありますので、数MHzの物は信号干渉が発生し、今度はそれによってキュルキュル音が発生する場合もあります。なので、まあ理想は300KHz程度なのですが、無難なところで175KHzにしました。チップはLM2596で、ループインピーダンスを下げて、更にスイッチングフィルターを追加しています。これにより、本来のLM2596とは違って能力的には若干犠牲になってますが、それでも変換効率は90%前後でありますわね。

基板の背面には、銅箔テープによるベタGNDを形成していますが、実はこれをする意味があるの?という質問をされている方を時々お見かけします。うん、分かります。しかしGNDというのは非常に重要で、特に高周波回路では顕著になります。実際175KHzについては高周波とは言えませんが、それでも不要輻射は発生するのです。スプリアスについてはスイッチングフィルターで除去していますが、基板背面をオープン状態にしておくと、やはりそういう余計な輻射が発生します。発生するだけなら良いのですが、出力電圧の品質にも若干影響与えます(具体的にはフィルターを飛び越えてしまう)。

実際に比較して見ましょう。

背面に銅箔テープを貼らなかった場合

銅箔テープを貼ってそれをGNDに接続した場合

いや、私もここまでの効果があるとは予見していませんでしたので、思わず声に出して笑ってしまいましたが(笑)。

【完成】

とまあ、色々と上辺だけを出しました。技術的な事はまとまり次第に公開しますね。

最後に、私からの贈呈品の特徴としましては、拡張部分に至って全ての付属品を付ける、というのが信条。電源ユニットもそうですが、オーディオケーブルも二重シールドタイプの物を同梱。電源ケーブルもあり。アンテナも有り(写真には写ってない)。時にはMP3プレーヤーも追加で内臓させたりする時もあります。で、まだ製作に至ってませんが、受信機もセットです。

でもひとまずは送信機のほうはこれでプロジェクト終了となります。実は私用の小豆7号機は既に基板は出来ていますので、後は部品乗せるだけなのであります。最終的には前面パネルにあるネジを黒く塗るなどの細かい仕上げが残ってますけど、それについては失敗する事の無い作業でありますので安泰ですわね。というより今回、失敗率が低い事も、今後の製作に活かせる収穫でありました^-^;。

どーーん。うん、良い感じですわね。私用のも、この感じにしましょう。

電源ユニット側にも電源スイッチを付けてしまいましたので、送信機本体の電源スイッチが役立たずになってしまいましたが、まあ良いでしょう。

電源ユニットの中身はこんな感じ。フィルターだらけですわね(笑)。電源ランプは、いにしえのネオン管。電源トランスは使用したパーツの中で、単品で最も高価な物でありますわね。この小さな電源ユニットボックスは、小豆本体よりも重たいのです。

放送システムに欠かせないのが、音量を自動的に一定以内に抑えて窮屈なサウンドを作り出すコンプリミッター。そして、OPTIMODなどに搭載されているラジオっぽさの真髄である、フェイズスクランブラーも搭載。

変調レベルと、アンテナマッチング計をスイッチ切り替えでアサインできるメーター。





9/09/2017

AMラジオ送信機~小豆6号機(3)

さて、小豆送信機ですが5号機が失敗でありました。とは言っても送信回路自体は問題有りませんでしたが、事もあろうか得意とする音声回路側に設計ミスが在ったのです。そのせいで、少し遠回りをするハメになったのであります。

とりあえず新しく作り直した現物を見て行きましょう。

 基板を作り

 乗せて

背面に銅箔テープを接着し

木箱に納まっている失敗作と並べて、とりあえずの優越感に浸ります。

とは言ってもこの記事を作成している時点ではまだ、下側に写っている新規作成ユニットの動作試験はまだであります。5号機の際にも申しておりましたが、まず失敗するはずがないでしょう、こんなにも簡単な回路を、と言った有る意味失敗フラグが形成されていた事も相成りまして、どことなく今回もその系譜を引き継いだ感は否めません。ロジャースの優勝時に発売されるディッキーアイスが、実際には敗北を帰した事で売れなくなってしまうのを全く予見できずに大量投入しているのと同じですわね(実際には売れてますが(笑))。またチャーリースローズが名フレーズ、「行け!そこだ行け!行けーーー!ではさようなら」の如く最初から優勝のみを目視しないスタイルが本来の姿だとも言えますが、そこは無きにしも在らず(笑)。

とりあえず、かつての飛鳥シリーズ送信機よりもかなり規模が縮小された回路ではありますけど、自分で言うのもなんですが、これほど理想的な回路は他にはありません。簡略化の基本としましては、1つの回路に複数の役割を必然性を利用して持たせた事にあります。例えると、RFアンテナにDCを従量させ、ケーブルの先に接続される機器への電源供給を行いつつ、RFもその同じケーブルを通すといった物に似ていますわね。実際には、各部のバイアス電圧を独自に各部分で作りだすのではなく、そのバイアス電圧と単電源動作の基本である中点電圧を一緒の物と考える事で、多少はそれを作り出す為には低インピーダンス化させる必要はありますが、最初に位置する回路にのみその電圧を供給しておけば、後ろに接続される回路にはそれらが不要になる、と言う。ってこれは設計の基本中の基本であり、皆さんは「今更語らなくとも」と言うくらいに基本過ぎる事ではありますが(笑)。




8/26/2017

AMラジオ送信機~小豆5号機(2)



【進行具合】

実は、ここまでバラックでの動作実験は一切行っていません。「え?」って思われるかもですが、だってバラックで動作チェックしてもし動作不良が見つかったらそこでやる気無くしますでしょ?。「え?何意味不明な事言うてはりますのん?」などと尚も思われるかもですが、ここは私のスタイル。入れ物の木箱さえ完成しておれば、中身は幾らでも作り直す事が出来るわけです。外枠重視の私であります所以ですわね。そして、ここがポイントでして、実際にはこれは試作機であります。試作機ですので、これを使って色々な実験を行う事までが目的なのであります。そして完璧に動作する構成が見つかった場合、それが次の正式版の製作の最終収集データーとなるのであります。

って事でとりあえず全ての配線をし終えてから、そこで初めて実際の動作試験を行い、満足な特性が得られなければユニットを作り直す、そしてまたこのケースに装着して動作試験と言った繰り返しになります。で中々にチンタラやっておりますけど、ふと思った事としまして、










「あ゛っ…まだ空きスペースがあるにゃー( ̄▽ ̄)」









うん、良く無いいつもの悪い癖が沸騰中であります。でその沸騰中の一つとしまして、もうDCジャックを取り付けてしまった後ですが、もしかしてここに電源ユニットまで押し込んでも良いのではなかろうか、みたいな。幸いながら消費電流も計算値としては100mA程度ですので、HiTech社の小型電源なんぞをちょこんと鎮座させ奉り候と相成っても良いのでは無いかのぉー越後屋( ̄ー ̄)、って事を考え中だったりします。


(メーターに付いているビニルフィルムは工作中の傷を防止する為です)

VR(Potentiometer)もローレットタイプにしました事で、ノブの選択自由度も飛躍的に向上しましたので、流通している数百種類ものノブから自在に取り替えもOKであります。アンテナチューニングのノブだけはネジ式になります。

メーターの機能は、上側が変調レベルとアンテナチューニングレベル、下側が音声の圧縮レベル(Compression Level)表示であります。当ブログを御覧の方の中には実際に放送局の方がおられますが、その方々以外には若干分からないこれらの計器類ですが、最低限必要な計器類であります(本当はもう一つ有った方が良いのです)。

うーん、あともう一つくらい、LEDランプを色違いで欲しい所ですわね。デザインとしての色合いの観点ではこの状態だと息が詰まります。

あっ、メーターの保護回路忘れてますわね。


実体配線図。うーん、うーーーーーーん、色々と組み替えたのですが、しっくり来る部品配置はこれしか無かったのです。がしかしながら、やはりまだ基板上にスペースがありまして、可能ならば右側のメーター保護ユニットを左側のメイン基板にぶち込みたいところなのですけど、うーん、SMDチップIC…を使ってもP^MosRelayが未だ大きいわけで…。というかその右側の遅延回路ももっと小さく出来ますでしょ私。左側に合体させなかったとしても、流石にちょっとブヨブヨですわね。




4/27/2017

変調回路で重要としたLM386に問題発生

タイトルの通りですが、今回はLM386N-4と言う386の中では最も出力電流が取れるデバイスを使っています。当然ですが、通常ですと386から出ている出力端子には電源電圧の半分の電圧がref_vとして出力されていますので、これを1000uF程度のコンデンサーを通す事でスピーカーに直流が加わらないようにして使います。

しかし

変調回路はこの386から出ている中点VCCをそのまま使ってます。つまり変調FETには電源としても使われるのです。386はその中点VCCを中心に振幅が上下に変化する事で、音声をスピーカーに伝えているわけですが、振幅変調回路では最も基本的なスペックが、その中点を中心に上下に変化する信号をそのまま使うわけです。一般的な小電力変調のリファレンス的な使い方ですわね。

でも、

その中点VCCに問題発生。それは、386の入り口に設置している音量調整VRを変化させると、どういうわけかこの出力端子に出力される中点VCCも変化してしまうのです。

入力の50Kポットを調整すると、A点の1/2VCCが1/2VCCではなくなる現象。

データーシートを見てもそのような記述が見つからず、もしかしてLM386N-4の故障かなと思い、5個くらい取り替えたりしてみましたが、同様に発生します。この1/2VCCが、入力の音量VRをまわしただけで変化すると言うのは、RF出力レベルも変化してしまう事になり、非常に宜しくないのでございます。


何でもかんでもバッファバッファって言ってると、ヨハン・セバスチャン・バッハが化けて出てきますわよ!ってくらいに有用なバッファを付けると問題は解決なのですが、今回は可能な限り簡単な回路で、という名目がありますので、こういうものを付けると言うのは本末転倒なのです。しかももっと言うと、LM386自体にコンプレッション特性を持たせて、オーバーレベルさせないようにする、って方向を掲げていましてシンプル思想が如何程かは伝わると思います。

しかーも

386の入力部分の抵抗値をLDR素子で音声信号レベルに応じて変化させる事でコンプレッションを行おうと考えていた矢先、入力部分の抵抗値をいじるだけで中点VCCが変化するだけなんて話を出してこられると、非常に困るわけです。

さて、どうしたものか・・・・・。


解決しましたら追記しますね。








4/25/2017

コンプリミッターを作ろう(1)

放送局のシステムとして、このコンプリミッター(Compressor & Limiter)と言う装置は、送信装置の次に重要であり、用いていない放送局は皆無と言われるほどです(法律で明確に使用を前提とされている)。

どういう物かと言うと、よく言われるのが、音量を圧縮する装置。ところがこの言い方だと少々分かり辛いので、

最大音量100%としますと、当然、音量を上げれる限界も100%という事になります。しかし、特にトーク番組だと、人によってはやたらと声の小さい人が居たり、やたらと声のでかい人が居たりします。ミキサー卓で逐一それらを調整していては、到底追従できません。仮にそのような方法をとっていたとしても、突然大声で笑い出したりテンションMAXになったりした場合、急いで音量を下げる事は出来ても、冒頭の数秒程度は過剰音量状態になります。

そこで、

100%を超えるレベルの音が入ってきた場合、自動的に音量を下げ、又は、10%程度しか無いような小さい声をぶっちゃけこの100%近くにまで上げる、と言う動作をリアルタイムに行ってくれる装置がコンプリミッターです。

実際の放送局ではOmnia , Optimodなどの放送局用に設計された装置を使用しますが、今回考えるのはそういった本格的な物ではなく、限りなく簡単にしかも500円以下で作ってしまえないか、と言う部分を目指します(予定です)

※Omnia, Optimodは正しくは音響効果装置、エフェクターではなく、電波に音を乗せる変調器です!

【動作】

音量を自動的に制御するのが基本動作です。

100%という最大音量を超過させない制限の中で、出来るだけ大きな音を乗せると言う動作をさせましょう。

【設計】

音量を調整する時に何を使いますか?
ポテンショメータ(ボリューム)です。


1970年代製造の年代物ですのでかなり荒れてますが、こういう物がポテンショメータと呼ばれる物です。

回路図で表すとこのようになります。

これを一般的にオーディオに用いる場合は

このように使います。ボリュームを回す事で、AB間、 BC間の抵抗値が変化し、AB : BCの比率の通りに信号量が分割されるわけです。等価回路を見てもらうと分かると思いますが、Aから入ってきた信号は、R1とR2の比率によりBへと出力されます。

R1が10KΩ、R2が1KΩだとすると、入ってきた信号を10:1の割合で減衰させて出力すると言う回路が出来上がります。もう一つ、R1が10KΩ、R2が0Ωだとすると、入ってきた信号を10:0の割合で減衰させて出力する、という事になり、この場合は出力はゼロになるわけです。細かい事を言うと、実際にはR1とR2の和は一定でありますので、10KΩ:1KΩ、10KΩ:0KΩという比率はボリュームの構成上有り得ませんが、ここでは概要だけ分かれば十分です。

ここまでの回路を、一般的には

アッテネーター(減衰器)

と言ってます。

R1とR2の比率を変化させる事で音量を調節している、というところまで説明しましたが、どちらかを固定させてもOKなのです。

つまりはR1を10kΩに固定させておき、R2のみを変化させる、って事でも音量を調整すると言う目的を達成できます。

大きい音が入ってきたら、R2の抵抗値を0Ωに向かって変化させる事で音量を抑える動作になりますが、これを人間がボリュームノブを回して調整するのではなく、電子的に行っているのが、コンプリミッターの構成の一種です。

【何を使って電子的に抵抗値を変化させる?】

コンプリミッターとは違いますが、かつてはYAMAHAなどが、放送局のミキサー卓にはモーター制御のフェーダー(スライドさせて音量を調整するボリューム)を採用した物もありました。所謂、電気式フェーダーですね。また、RCAなどではゼンマイを使用し、ボタンを押すとゆっくりとフェーダが下がるという物までありました(機械式フェーダー)。しかしどちらも現在では作られていません。

■1:VCAを使う■

Voltage Controled Amplifier。制御端子に加える電圧を変化させると、通過する音声信号のレベルが変化する、といった類の物。アナログシンセサイザーやギターのワウエフェクターなどにも用いられている媒体です。アナログのOptimodでは、

Harris社のCA3080というVCA ICが使われています。実際にはこれはVCAではなく、トランスコンダクタンスアンプと呼ばれる物で、制御端子に電圧を加えるのではなく、電流を加える事で増幅度を変化させる物ですが、原理としてはVCAと同じです。

余談ですが、元々はHarris社が80年代に製造していましたが、90年代以降はインターシル社、ナショナルセミコンダクター社がセカンドソースとしての供給元となり、現在では廃盤となっております。

■2:LDRを使う■

LED+CDSの組み合わせ。LEDの光をCDSセルに当てる事で、抵抗値が0Ωに向けて変化する物で、かつては、オプトカプラーと呼ばれており、VTL5C1などの品種が存在していました。

実は、これは自作可能です。がしかし、一応は製品もありますhttp://akizukidenshi.com/catalog/c/caphca/

左側がCDSセル。右側がLED。後はこれを黒いビニルテープでグルグル巻きにすれば完成です。

LEDを音に合わせてピカピカさせると、向かい合ったCDSセルの抵抗値がゼロΩ方向に向かって変化します。先ほどの回路で言うと、R2の部分にこのCDSをそのまま配置するだけで、後はLEDを制御すればコンプリミッターの出来上がりです。

但し

LDR式のコンプリミッターには欠点があります。それは、同じ回路が2つ必要なステレオ回路で使用し辛い点。上記の向かい合ったLDRを2つ自作したとします。しかし、光が当たった時のCDSセルの抵抗値は2つのLDRでバラツキます。つまり片チャンネルが音量ゼロになったのに、もう一のチャンネルからは音がまだ聞こえている、と言ったバラツキ。2連ボリュームを使った事のある人向けに言うと、ギャンギングエラーと呼ばれる状態が発生し、特性の揃った2つのLDRを作るのは困難と言うのが、ステレオ回路には使用し辛い点です。勿論、市販品であるVTL5C1などでも、完全に特性の揃った物は2つ購入しただけではまず有りません。なので、100個単位で購入し、特性の揃った2つを選別して使う必要があるのです。

■3:FETを使う■

トランジスターでも良いのですが、トランジスターの場合には、直線性の優れた領域で使用しなければ音が歪んでしまうと言う特性があります。勿論、トランジスターを選別すれば上手くいく場合があると思いますが私は知りません。なのでFETです。FETは別名、電界効果型トランジスターと呼ばれています。トランジスターが電流を扱うのに対し、FETは電圧を扱います。

SをGNDとして使用する場合、Gに電圧を加えると、DとS間の抵抗値がリニアにゼロΩ方向に変化します。つまり、前述したアッテネーター回路のR2の部分に、DとSを配置し、Gに制御電圧を加えると音量を抑制する方向に働く回路を構成できます。

こちらも素子により若干のバラツキはありますが、LDRほどではありませんので、ステレオ回路にも使えますね。

■4:専用ICを使う■

入手性の問題で、これはまた別個に記事にしましょう。

■5:DSPを使う■

私の分野外です(笑)。



といった感じで、次回には実際の回路をこのどれかを方式として用いて作成します。