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10/11/2017

ラジオコイルを巻くのであります~小豆ラジオ~

フェライトインダクター、所謂AMラジオ用のバーアンテナであります。ディップメーター又は、測定周波数が10MHz付近のLCメーターが必要になりますが、一番理想的なのはやはり、使用する周波数で測定が出来るディップメーターが理想であります。数百キロヘルツ程度の簡易的なLCメーターでも可能でしょうけど、かなり誤差が出ますので、そういう場合はちゃんとした基準となるコイルを用意しておき、誤差を考慮した値として捉えるような工夫をしましょう。

印刷用紙セットの中に入っている厚紙や、トイレットペーパーの中心部分などを用意して、巻き巻きコイルのガイドにします。

厚紙をフェライトコア棒にクルクルしまして、更に適当に長さの細い厚紙をその上に被せます。

二次側を巻き、写真には収めていませんが、二次側を巻きます。

日本製です。

一時側は約650uH。

二次側は約12uH

この値は、140pFのバリコンを使用する事により、AM放送帯をカバーする事が出来ます。発振コイルは御馴染みの赤色コイルを使用し、ヘテロダインを構築します。

10/09/2017

AMラジオ送信機~小豆6号機(完成)

まず、色々と技術部などで、贈呈先はもしかして自分?俺?あたい?わっち?おいら?我輩?とか色々と言われていますのでここでハッキリさせておきますが、違います。前々から言ってますように、ツイッターフレンドさんへの贈呈でありますわね。とは言っても今回は贈呈と言うわけではなく、交換という形になりそうです。当ブログにも時々コメントして下さってます『おさもう』さんであります。単なるツイッターフレンドと言うより、普通にフレンドさんと言った感じでありますわね。



当初は交換という事には成っていなかったのですが、おさもうさん曰く、「単に一方的に頂くには申し訳ないので、自分も何か作って交換という形は如何ですか?」と言ったよう事をおっしゃりやがられまして、そうなりました。で、交換とは何か、と言いますと、実際には私からはラジオ送信機とその他諸々(通常の受信機や広帯域SDR受信機)を差し上げ、おさもうさんは、

実は既に完成されていますが
この素敵MAXなヘッドホンアンプ(ディスクリートでっせディスクリート)、私にくれるのです。私のもんじゃー(o→ܫ←)b☆イェー♪

ディスクリートというのを特にn技のやつらが聞くと、若干オカルト扱いに成り、例の個人製作&販売のアンプが購入者のヘッドホンを壊してしまうって一件を思い出されるでしょうが、ディスクリートです。

ただまあ、当初は、「私の小豆シリーズで良い物、納得できるものが出来たら差し上げます」って言いました通り、当然、そうならなければボツリヌス菌なわけです。もう確定事項のように、セコセコとおさもうさんがヘッドホンアンプをサクサク作っておられるのを横目で見つつ、私のほうはあくまで実験、試作でありました。何時ものような私の日頃の製作で、試作機として最終的には廃棄処分するような物をそのまま贈呈する、つまり、「捨てるなら誰かに上げれば良いじゃん」と言った感じとは違い、実は以前から悩んでおりました事の解消が目的でありました。それは、

あのクッソ複雑で、製作しても一発で動作する事が無さ過ぎる飛鳥と名づけたラジオ送信機シリーズを二度と作りたくは無く、かと言って新規に設計をしました回路を実際に作りたくなる、そういう時、いつもの木箱に如何に組み込むかと言う事に悩んでおりました。

要するに、どうすれば作りやすく、製作時の負担を軽減できるかを実際にアイデアを一つ一つ試して行くのだぁー

って事をするのが今回の小豆シリーズの本質でありメインであります。ここまででお分かりの通り、完全に私自身のスキルアップを目的としております。実験で実際に試作した物が出来て、それが私の中での品質基準を上回った場合、その試作機、要りますか?って声をかけたのが、おさもうさんであります。

で、贈呈する事を決めたのは、もう一つ理由がありまして、それは、例のジンクスを久し振りに検証し、統計として蓄積させたい、って所ですわね。石川さんとの間ではそのジンクスは全く働く事はなくオカルトで終わってますが(と言うかジンクスとは間逆で親交が深くなりました^-^;)、その他の方々は割とこのジンクスにガッツリハマっておられますので、贈呈する事で関係破綻に至る率のほうがまだ高い、と言った統計なのであります。こういうバカバカしい非科学的な事を信じているわけではありませんが、統計が物語る事は科学であり、それに基づいての結論としては、そのジンクスは私の中ではまだまだ「事実」として根付いております。

話を戻しましょう。

以前までは、木箱の側面に基板を取り付ける形で、フロントパネルの設置を容易にしていたのですが、そうしますとかなりの配線が必要になりまして、盛り蕎麦、ラーメンのような状況になるわけです。これを、最低限、まきまきウンチ君にしたいのです…(←ふぁ?いや、意味分からないです)。しかも製作後はメンテナンスがし辛く、ちょこっと変更しようと思うと半分以上の配線を取り除かなくては奥の方まで届かないなど、

二度と作りたくない!

って感じだったところ、お友達でもあり変態の象徴である我がブログのサブリーダーの短波倶楽部(ツイッター上での名称)の石川さんに、ボソっと言われた事が展望となりました。いや、石川さん自身もこの事については、ご自身が変態である事以外、恐らくその重要性には全く気付かれもされていない自覚もされていないのですが、私にとってはその一言が革命でありました。

それが

「立体配置って無理でしょうか??」




今まではこのように側面に基板を配置しておりました。

これが飛鳥初号機。基板の裏側が本機の前面パネルです。

そう、空間を立体的に使う事で、事前にしっかりと基板配置等をCADなどでデザインしておけば、前面パネルからスペーサーを使う事で、基板を前面パネルから一定の距離で浮かせる事が出来るわけです。いやまあ、別に石川さんに言われなくとも何れは気付いたでしょうけど、上記初号機はまだ基板を浮かせて固定するのにネジへの直付け方法を用いていますが、この後でスペーサーを使用するに至ります。

つまり、基板の裏側にある前面パネルに設置するスイッチ類にアクセスするには、この基板を固定している前面パネルのスペーサー固定ネジを外しさえすれば、全ての基板が持ち上がり、裏側のメンテナンスが可能となります。

じゃあ側面配置とどう違うかと言いますと、まだ試作機としては複数に分離して基板を作っておりますけど、完全に動作が容易な回路になれば回路を基板1枚に収束する事が出来るのです。つまり基板と基板の間の配線が不要になるわけです。これだけでもかなりの進歩であります。

【電源の問題】

今までは私の独自開発しました10MHzの変換効率98%の2次元可変速スイッチング電源(特許は申請していません)を用いていたのですが、実はその電源、非常にコストが掛かるのです(1台500$程度)。それに、問題となるグランドループ問題を解決出来ていません(効率重視)。そこで今回は電源そのものを考え直しております(実際にはまだ継続的に研究中)。

そこで、一応これを執筆時点で小豆送信機に同梱する電源システムは、一般的な降圧トランスを使用し、その後の安定化部分で、スイッチングを使う事で、トランスが吐き出す事の出来る電流容量を100%に近い効率で使用する、という案。降圧スイッチング式です。かつての時代には、降圧トランスの後に整流を行い、安定化回路にはツェナーとトランジスターを組み合わせたドロッパー式と呼ばれる物が一般的でした。これは、例えば降圧されて整流され、非安定直流25Vから15Vを安定化出力させる場合、この10Vが全て熱に変わってしまいます。熱に変わってしまった分は当然、実際に危機を動かすのには使えません。単に熱になるだけです。しかしこれでは、限られた記帳な降圧トランス出力の半分程度しか使えない事になりまして、非常に無駄であります。そこで、変換効率が90%を超えるスイッチングレギュレーターの出番なわけです。

さて、効率の問題は解決です。しかしこの時点ではまだグランドループ問題は解決しておりません。実はAMラジオ送信機はこのグランドループが結構問題になります。送信される電波に、このループによって「ぶーーーーーーーーん」と言うノイズが発生してしまうのです。解決するには、送信出力を100W以上に上げると言うのがありますが(パワーで押し切る)、別に海賊放送局を作るわけではありませんのと、ATTで減衰させて使うとしても結果的に一緒ですので、小電力送信状態という前提の上で解決しなくてはなりません。

【グランドループ】

物凄く簡単に言いますと、


さて、このような構成があったとします。mVは各機器のGND電位。実はこの電位の違いがグランドループを発生させてしまうわけです。勿論、送信機が絡むとこれに共振現象などが介入し、非常に複雑になりますが、まずこの電位の違いから、増幅回路がある機器ではその電位差を増幅してしまうわけです。更に、共振現象が発生しますと、それによって発生する信号まで増幅してしまいます。一般的にはポケットラジオなどが上記のループ、つまりループ状態のアンテナに対して共振する事でもノイズを発生させてしまいます。電源インピーダンス、信号インピーダンスの違いからも発生します。

で結論から言いますと、

GNDを少なくとも高周波的に分離すれば良いんじゃないっすか?

であります。高周波的に分離するには、そのライン内のインピーダンスを高くして経路を構成すれば良い事になります。実際には、数mHのチョークコイルなどを解すと達成可能ですが、チョークコイルが数mHにもなりますと、直流的な抵抗も発生しますので、その抵抗値が今度はコモンモードノイズなどを誘発させたり。どんどん対策しましょう。

高周波的な分離回路、コモンモードフィルターで打ち消し、更にローバスフィルター、更にはEMフィルター、更に究極なのが、

もうオーディオ信号ラインも分離!

今回、これら全ての対策を確実に嵩じた事で、グランドループ問題はほぼ解決であります。で、これを執筆時点ではまだ、オーディオ信号の分離はまだ製作しておりません。とは言ってもこれは一般的には、アイソレーショントランスフォーマー一つでOKであります。要は、送信機と物理的にオーディオラインを分離させれれば良いのです。トランスによる転送が簡単ですが、拘るのでしたら光りデジタルラインを構築しましょう。

【電源ユニットがサイズ違い】

このスペースに収める為に基板サイズを合わせたつもりが、計測ミスで基板サイズが大きいです。

やり直したのがこちらであります。うん、ピッタリ(←正しく計測したんだから当然)

何だか若干中身が汚く成ってしまいましたわね。

さて、この電源基板ですが、スイッチング周波数は実測では175KHzです。スイッチング電源回路でこのスイッチング速度と言うのはちょいと心持たないのですが、実はラジオ送信機と言うこともありますので、数MHzの物は信号干渉が発生し、今度はそれによってキュルキュル音が発生する場合もあります。なので、まあ理想は300KHz程度なのですが、無難なところで175KHzにしました。チップはLM2596で、ループインピーダンスを下げて、更にスイッチングフィルターを追加しています。これにより、本来のLM2596とは違って能力的には若干犠牲になってますが、それでも変換効率は90%前後でありますわね。

基板の背面には、銅箔テープによるベタGNDを形成していますが、実はこれをする意味があるの?という質問をされている方を時々お見かけします。うん、分かります。しかしGNDというのは非常に重要で、特に高周波回路では顕著になります。実際175KHzについては高周波とは言えませんが、それでも不要輻射は発生するのです。スプリアスについてはスイッチングフィルターで除去していますが、基板背面をオープン状態にしておくと、やはりそういう余計な輻射が発生します。発生するだけなら良いのですが、出力電圧の品質にも若干影響与えます(具体的にはフィルターを飛び越えてしまう)。

実際に比較して見ましょう。

背面に銅箔テープを貼らなかった場合

銅箔テープを貼ってそれをGNDに接続した場合

いや、私もここまでの効果があるとは予見していませんでしたので、思わず声に出して笑ってしまいましたが(笑)。

【完成】

とまあ、色々と上辺だけを出しました。技術的な事はまとまり次第に公開しますね。

最後に、私からの贈呈品の特徴としましては、拡張部分に至って全ての付属品を付ける、というのが信条。電源ユニットもそうですが、オーディオケーブルも二重シールドタイプの物を同梱。電源ケーブルもあり。アンテナも有り(写真には写ってない)。時にはMP3プレーヤーも追加で内臓させたりする時もあります。で、まだ製作に至ってませんが、受信機もセットです。

でもひとまずは送信機のほうはこれでプロジェクト終了となります。実は私用の小豆7号機は既に基板は出来ていますので、後は部品乗せるだけなのであります。最終的には前面パネルにあるネジを黒く塗るなどの細かい仕上げが残ってますけど、それについては失敗する事の無い作業でありますので安泰ですわね。というより今回、失敗率が低い事も、今後の製作に活かせる収穫でありました^-^;。

どーーん。うん、良い感じですわね。私用のも、この感じにしましょう。

電源ユニット側にも電源スイッチを付けてしまいましたので、送信機本体の電源スイッチが役立たずになってしまいましたが、まあ良いでしょう。

電源ユニットの中身はこんな感じ。フィルターだらけですわね(笑)。電源ランプは、いにしえのネオン管。電源トランスは使用したパーツの中で、単品で最も高価な物でありますわね。この小さな電源ユニットボックスは、小豆本体よりも重たいのです。

放送システムに欠かせないのが、音量を自動的に一定以内に抑えて窮屈なサウンドを作り出すコンプリミッター。そして、OPTIMODなどに搭載されているラジオっぽさの真髄である、フェイズスクランブラーも搭載。

変調レベルと、アンテナマッチング計をスイッチ切り替えでアサインできるメーター。





9/27/2017

AM送信機が嘘を付く

昨年初頭には、色々と疑念を抱かれてしまう事が頻発しました。事の発端は、ある方から「お奨めのラジオ送信機は?」と尋ねられた事にありました。条件としては、

「100万円までで、ハンダゴテを使わずにすぐに使える物。電波管理法は無視。」

と言う条件で、とある中規模の送信機(500W)を紹介しました。個人が購入できる最も手軽な送信機としてはそこそこ知名度があるのですが、これを購入された方が後に発した言葉は

「これのどこがお奨めなのか。大金を投入したわりにはこれで満足できるかよ」

で、どういう訳か私に非難が。


何度も申し上げておりますが、AM放送であろうが短波放送であろうがFM放送であろうが、送信機をゲットし電波を出してそれを受信機で捉えて音を聞くと言う一連のセットで、特にFM変調タイプに関しては大抵の人の求める音質は100%得られません。

工作キットとしては幾つか送信機キットが5万円程度で存在しています。更にイベント会場で使えるような小出力な物で製品版としては、Talking Houseというメーカーからも5~10万円程度で出ています。

がしかし

それらは一部には音声圧縮回路が搭載されている物もありますが、概ねは純粋な送信装置であります。特に100万円近くする物でしたらその傾向が売りの特徴とされております。要は入ってきた音をそのまま可能な限り正確に電波に乗せるのが送信装置なのであります。FM送信機ならば場合によると20Hz~20KHzまでの帯域信号をそのまま乗せる物もありますが、普通に考えるとそれでFM放送が成立しない事が分かります(FM放送は19KHzにステレオチャンネルを制御する信号が乗ります)。がしかし、送信装置としてはそれが最も理想な品質になるのであります。中にはステレオ信号すら発生させない送信機もあります。つまりはそれらFM送信機は、本当の意味で送信機であり、別途、変調器が必要になるのです。変調器は、音声のL/Rを乗せる為の38Kサブキャリア制御やパイロットトーン19KHzの生成、文字データーRDS、プリエンファシス、オーバーレベルプロテクションなどの機能を司ります。FMの場合はこれらを変調器と呼んでいます。

で、AMの場合は外部変調器と言うのは、概ねはオーディオプロセッサーの事を指す場合が多いのです。それは振幅変調回路自体が送信回路の一部であるからですね。

そして、送信機を購入した人がガッカリするのは、一つ

「AM放送の音じゃない!」

今一度申し上げますが、私はあくまで「AMラジオ送信機」という括りだけでお奨めしたわけですので、それだけを用いたからと言ってAMラジオのような音は得られません。


確かにAMの場合はAM変調自体がそれに近いような音として電波に音が乗ります。

話しは逸れますが、敢えてAMラジオの音に拘る人の頭の中にあるのは、決して高音質ではないチープな音なのです。しかしそれは殆どの場合、受信機側がそのような特性になっているのであります。特に一般的に普及している受信機の復調回路ではスーパーヘテロダイン方式という物が採用されておりますが、原理は割愛しますがこれは基本的には復調する帯域を狭く絞って乱立する放送局が互いに重なって復調されないよう、中間周波数フィルターと言う物が採用されているのです。このフィルターによって音声帯域が狭まっているのですね。そして、この音が古くから人々の耳に馴染んだAMラジオの音として成立しました。

元々、AMラジオは送信側での音質改善にはかなりの限界があります。真空管式、PWM(PAM)式、デジタル式と言った違いでは実際に音質は変わってますが、それらが実際どう違うかと言うのは非常に分かり難い部分であります。と言うより、AMラジオ自体が送信側ではなく受信側で音質が決定される傾向にあります。あなたがAMラジオ受信機を多数比較しますと、FMラジオ受信機を多数比較するよりも大きく違いがあるのが分かるでしょう。ストレート形式の受信機は非常に高音質である、って事を言う人が居ますが、そりゃそうです。フィルター無しのストレートなんですからね^^。ただ、AMラジオに高音質を求めるってのはどうかと思いますわね。だったらFMで良いでしょ、みたいな。

そしてもう一つ、所謂ラジオっぽい音にしようとする場合は、それなりの音声処理回路が必用になります。そういった音声処理回路は基本的にはAM送信機には搭載されておりません。あくまで、AMラジオに対して音を乗せて飛ばすだけなのがAM送信機なのであります。

ですので、私が作っているAM送信機は、音響プロセッサーを用いたラジオの音になりますので(実際にRAIDEN, ASUKA以降の送信機には標準、簡易含めて位相回転、位相対称化、音量圧縮、帯域分割などの音響プロセッサー回路を搭載済み)純粋な送信機ではない、って事になりますわね。

と言った事ですので、この点を捉え違いされないようにお願いします。

9/09/2017

AMラジオ送信機~小豆6号機(3)

さて、小豆送信機ですが5号機が失敗でありました。とは言っても送信回路自体は問題有りませんでしたが、事もあろうか得意とする音声回路側に設計ミスが在ったのです。そのせいで、少し遠回りをするハメになったのであります。

とりあえず新しく作り直した現物を見て行きましょう。

 基板を作り

 乗せて

背面に銅箔テープを接着し

木箱に納まっている失敗作と並べて、とりあえずの優越感に浸ります。

とは言ってもこの記事を作成している時点ではまだ、下側に写っている新規作成ユニットの動作試験はまだであります。5号機の際にも申しておりましたが、まず失敗するはずがないでしょう、こんなにも簡単な回路を、と言った有る意味失敗フラグが形成されていた事も相成りまして、どことなく今回もその系譜を引き継いだ感は否めません。ロジャースの優勝時に発売されるディッキーアイスが、実際には敗北を帰した事で売れなくなってしまうのを全く予見できずに大量投入しているのと同じですわね(実際には売れてますが(笑))。またチャーリースローズが名フレーズ、「行け!そこだ行け!行けーーー!ではさようなら」の如く最初から優勝のみを目視しないスタイルが本来の姿だとも言えますが、そこは無きにしも在らず(笑)。

とりあえず、かつての飛鳥シリーズ送信機よりもかなり規模が縮小された回路ではありますけど、自分で言うのもなんですが、これほど理想的な回路は他にはありません。簡略化の基本としましては、1つの回路に複数の役割を必然性を利用して持たせた事にあります。例えると、RFアンテナにDCを従量させ、ケーブルの先に接続される機器への電源供給を行いつつ、RFもその同じケーブルを通すといった物に似ていますわね。実際には、各部のバイアス電圧を独自に各部分で作りだすのではなく、そのバイアス電圧と単電源動作の基本である中点電圧を一緒の物と考える事で、多少はそれを作り出す為には低インピーダンス化させる必要はありますが、最初に位置する回路にのみその電圧を供給しておけば、後ろに接続される回路にはそれらが不要になる、と言う。ってこれは設計の基本中の基本であり、皆さんは「今更語らなくとも」と言うくらいに基本過ぎる事ではありますが(笑)。




8/26/2017

AMラジオ送信機~小豆5号機(2)



【進行具合】

実は、ここまでバラックでの動作実験は一切行っていません。「え?」って思われるかもですが、だってバラックで動作チェックしてもし動作不良が見つかったらそこでやる気無くしますでしょ?。「え?何意味不明な事言うてはりますのん?」などと尚も思われるかもですが、ここは私のスタイル。入れ物の木箱さえ完成しておれば、中身は幾らでも作り直す事が出来るわけです。外枠重視の私であります所以ですわね。そして、ここがポイントでして、実際にはこれは試作機であります。試作機ですので、これを使って色々な実験を行う事までが目的なのであります。そして完璧に動作する構成が見つかった場合、それが次の正式版の製作の最終収集データーとなるのであります。

って事でとりあえず全ての配線をし終えてから、そこで初めて実際の動作試験を行い、満足な特性が得られなければユニットを作り直す、そしてまたこのケースに装着して動作試験と言った繰り返しになります。で中々にチンタラやっておりますけど、ふと思った事としまして、










「あ゛っ…まだ空きスペースがあるにゃー( ̄▽ ̄)」









うん、良く無いいつもの悪い癖が沸騰中であります。でその沸騰中の一つとしまして、もうDCジャックを取り付けてしまった後ですが、もしかしてここに電源ユニットまで押し込んでも良いのではなかろうか、みたいな。幸いながら消費電流も計算値としては100mA程度ですので、HiTech社の小型電源なんぞをちょこんと鎮座させ奉り候と相成っても良いのでは無いかのぉー越後屋( ̄ー ̄)、って事を考え中だったりします。


(メーターに付いているビニルフィルムは工作中の傷を防止する為です)

VR(Potentiometer)もローレットタイプにしました事で、ノブの選択自由度も飛躍的に向上しましたので、流通している数百種類ものノブから自在に取り替えもOKであります。アンテナチューニングのノブだけはネジ式になります。

メーターの機能は、上側が変調レベルとアンテナチューニングレベル、下側が音声の圧縮レベル(Compression Level)表示であります。当ブログを御覧の方の中には実際に放送局の方がおられますが、その方々以外には若干分からないこれらの計器類ですが、最低限必要な計器類であります(本当はもう一つ有った方が良いのです)。

うーん、あともう一つくらい、LEDランプを色違いで欲しい所ですわね。デザインとしての色合いの観点ではこの状態だと息が詰まります。

あっ、メーターの保護回路忘れてますわね。


実体配線図。うーん、うーーーーーーん、色々と組み替えたのですが、しっくり来る部品配置はこれしか無かったのです。がしかしながら、やはりまだ基板上にスペースがありまして、可能ならば右側のメーター保護ユニットを左側のメイン基板にぶち込みたいところなのですけど、うーん、SMDチップIC…を使ってもP^MosRelayが未だ大きいわけで…。というかその右側の遅延回路ももっと小さく出来ますでしょ私。左側に合体させなかったとしても、流石にちょっとブヨブヨですわね。




8/14/2017

AMラジオ送信機~小豆5号機(1)



今回は、私の目的の中で、この小豆プロジェクトを進めております。

【目的1】

以前までのプロジェクトである、飛鳥シリーズのような製作のし辛さを如何に解消できるか。いやもう、飛鳥シリーズは二度と作りたくは無いです。間違っても、贈呈用としては絶対に作りたくないのです。木箱の都合で側面にプリント基板を配置した事により、各基板間をワイヤーで接続する事になった、と言う経緯があるのです。勿論、特性面では全く問題が無いように配慮しなくてはならなかったり(配線の引き回しによる回り込みノイズ)、そのせいで普通ならば不要なインピーダンスを下げる回路を加えたりしました事で、余計な回路規模増大になったのです。信号の経路としましては、高いインピーダンスで受け取り低いインピーダンスで送り出すと言うのは音響回路のみならずとも信号の配膳方法としては一般的であります事からも、ノイズ面では非常に有効なのです。勿論配線を引き回す手前では低いインピーダンス化を施したり(ボルテージフォロワーなど)しなくてはならなかったわけです。

そう言った製作面、設計面での疲労困憊を避ける為、可能な限りの最適化を行う、またはそれが行えるかが、小豆プロジェクトの目的の一つであります。

で、この項目についての達成率、満足率は残念ながら80%と言った所であります。

【目的2】

100%変調。飛鳥シリーズでは、回路の特性上と電波出力の関係で、100%変調はできておりません。可能ではあるのですが、仕様外の音声歪が発生する設計でしたので、必然的に少し音量が下がった位置に100%変調ほ設定しております(つまり音が小さい)。

その100%変調を達成する、それが小豆プロジェクトの目的の一つであります。

で、この項目についての達成率、満足率100%であります。現在一般商業放送局で主流になっていますPWM(PAM)変調方式のようなクリアな音質ではなく、1970年代以前の真空管式完全アナログラジオ送信機に近い音になってます。

また、Orban Optimod 9000シリーズの特性を独自に再現しました回路を基本搭載しています。音響プロセッサーに知識無い人用に表現しますと、1970年代のAMラジオに非常に近い音質、質感になります。60年代にAM, SSB系をされていたHAMの方に分かり易く説明するとしますと、ボイスプロセッサーが搭載されている、と言えばスパっと分かってもらえると思います。

とか、Optimodとか言うと、傍から見ているとア○丸出しで楽しい頭がお○○い人楽しい人が沸きそうですが(笑)。ま、それは置いといて(つ´_`)つ

【目的3】

送信出力の改善と、アンテナへの電圧供給のアップ。ただ、これは私個人で使うバージョンでのみ採用しています。具体的には、送信出力を4W(p-p)に設定し、飛距離をアップしつつ、変調特性を保持できるかどうか。

で、この項目についての達成率、満足率は残念ながら0%と言った所であります(小豆5号機では採用していない為)。小豆5号機の飛距離は、想定値としましては障害物有りの環境で30m程度。私が自分で使用するバージョンを設計する場合は、飛距離を200mに。

【進行具合】

回路その物はもう問題無く完成していますので、後は内部配線であります。ここから、作り易さと作り難さの探求を行い、どの部分が作り辛いかをピックアップして、それを改善していきます。偉そうに書いてますけど、私は完全に素人でして、自身の職の中にはこの電子回路関係とはかすってもおりません。なので、こう言った自己学習が楽しいわけです。

理想的なのは配線ケーブルを1本も使わない作品ってのがそれなのですが、残念ながら未だにそこまでには達しておらずですわね。内部配線ケーブルの多さ=出来の悪さ、というバロメーターは私の中では正しくもありますが、同時にアンティークっぽさを無くす要因でもあるのですよねー。同時に手作りっぽさはそういった部分で出るのかな、って認識であります、私の中ではね^^。

で、とりあえず、Potentiometer(VR)が、仮に取り付けている物は、ツマミ軸がツルツルのタイプで、ツマミはネジ式でないと駄目なのです。比べると


↑こんな感じになるのですが、現実的にこの左側のほうが色々と得な事があります。


ツマミ、ノブの種類としましては、世の中に流通しているものはこのギザギザタイプ(↑の中で右3つ)の物が圧倒的に多いのです。それこそ数万種類はあります。それに対してストレートタイプ(↑の中で一番左側)の物はかなり種類が少ないのです。特に商業製品においては圧倒的にギザギザタイプが多いのも事実、やはりはネジで軸を掴んで固定するタイプよりもギザギザである事からしっかりと引っかかる、それが認知されているのかもしれません。↑の右3つの真ん中、シルバーのやつは、1978年製PIONEERのFMラジオチューナーから抜き取った物です。

と言うわけで、良さそうなギザギザタイプのPotentiometerを現在物色中であります。

【贈呈品?】

今回の小豆5号機については、試作機と言う事からも、贈呈先が存在しなければいずれは廃棄処分か、解体する物でありますわね。

で、今回予定しています贈呈先は、久しぶりの電子工作、電子回路関係の方。いや、そっち関係ならばその人自身が作れるんじゃねーかい?とか思われますけど、そう言われるとちょっとテンション下がりますわね。うん、実際、回路図さえお渡しすれば余裕で製作可能なお方です。とか語ってますと、「え?私、贈呈先間違ってませんか?」って事にもなりそうですけど、まあそれは置いといて、普段からハンダゴテを使ってらっしゃる方への贈呈だと色々と安心感があるのです。と言うのは、何か故障が発生した場合、御自分で修理したり出来ます。または、自分なりに改造したりも出来ますし、遠方地の方ですのでそう言った点でも私としては非常に気持ちが軽くなりますわね。しかも小豆の場合は使用しているパーツはすべてが汎用パーツであり、恐らくは今後100年は流通が途絶える事が無いようなパーツですので。たとえばPotentiometerにガリが発生した場合、適当にそこら辺で売ってる物に取り替えたりも余裕でしょうし、今思えばこれ、製作キット化した状態で贈呈しても良かった感があるくらいですのでね(恐らくは今回の贈呈先の方は、製作キット化していたほうが喜んでもらえたかも^-^;)。






7/22/2017

かつてラジオ界に存在したOPTIMOD, Omnia

各プロセッサーについては以前に述べましたので今回は割愛します。

時代の流れと言うのは時として残酷である、と表する場合もありますが、AM, FMラジオ局、果てはTV局には、独自のサウンドシステムが導入されております。我が国の国営放送局ではOPTIMODシリーズの8700が導入され、最先端の音作りがされていますが、ここ最近は放送局ごとの音のチューニングは行われなくなってきています。2000年代後半までは、雇われての音響エンジニアが専属として存在しておりましたが、私の繋がりの中だけでも、その殆どが職を失っている、つまりは解雇扱いになりました。

放送局側の意向としましては、と言うか本音としましては

「音質に文句を言う人は現在では10000人に1人(全国で取得したアンケートより)。そんな部分にお金を掛けるのだったら、中身そのものにお金を掛ける事のほうが、よほど良い」

この発言は、国営放送ならば税金からの支出である事から、運営方針と国民の納得という意味では、今後の方針としての決定として認知されたわけです。更に民放局でも同様、各放送局の運営は非常に厳しい状況であります事は、私のようなボランティアを除いてはほぼ解雇になった、と言う話からも窺(うかが)い知れます。

では実際には音作りという物はどうなってしまうのか?

実はこれについて、OPTIMODの開発元の意向としては、過去に使用されて来た音質設定が独自に集計され、音質プリセットとして新しい機器に投入されて来た訳です。今後は、デフォルトプリセットで一本化させよう、と言う、実質的なアイデアが出されつつあります。

音響部分の導入、機器入れ替えについて今後は、放送局窓口のお姉様や、送信所の掃除をするクリーニングスタッフでも、たったの30分で出来てしまう簡単な構成になります。また、メンテナンスや機器の故障予知に至るまで、遠隔監視での作業が可能で、こちらも所定のソフトウェアで可能になっております。

唯一問題となるのが、クラシック音楽寄りの放送局。

これについても最初からClassicsと言うプリセットにて瞬時に最適化された音になり、最近ではHD Radioにも同時に対応するようになっていますので、音を全く知らない人でも、マニュアル通りに操作すればそこで作業完了。時間帯によってもプレセットを変更する事が可能ですのでね、遠隔で。

もう、音にコストを掛ける時代ではない

と言う事なのでしょう。中には今も尚拘っている放送局もありますが、今までの、少なくともアナログ・プロセッサーを使い続ける事は実際にはコストが掛かってしまう傾向になり(HD radioとの同期が難しい)、そのコスト捻出問題から果たして、アナログ機器を使い続ける、いや、使い続ける事が『可能な』放送局は一体どれほどの数があるのか、という疑問に対しては、「う~ん」と声を唸らすばかり。

実は、放送局ごとに音が微妙に違う、と言うのはあまり好ましく無いという見方をする人のほうが実際には多いのです。仮に砂漠地帯を放送エリアの大部分を占める放送局が、灼熱の砂漠にマッチした音作りをしているとしましても、果たしてそれが実際にそうであるという効果を生んだ験しが無いのです。あくまでそれは放送局が明示的に出している「拘り文句」にしか成って居ないわけです。

音圧戦争と言われた時代は終焉を迎え、これからは多少なりとも音質が劣化したとしても(HD radio)、内容で勝負しなければ生き残れないと言う時代に突入しているわけで、これはもう時代の流れである、と言えましょう。

「いやいや、一人でもその拘った音に好意を抱いている人を裏切っては成らないぞ!時代に流されないのもラジオには必要だ」

と言う人も実際にはアンケートでは聞こえていましたが、私から一つその方に向けて言いたいのは

「そういうあなた、今そのコメントをスマートフォンで投稿していますよね?時代の流れの中で生まれたスマートフォンで」

と言う。便利な物は独自にバンバン取り入れている割には、たかが放送局に「流されるな」と言うのも中々に滑稽だったりします。まあ勿論反論は有って然りですけど、やはり少数より多数での選択を取るのが放送局としての姿勢。勿論それは、その一人の意見をないがしろにしての結果ではないのです。下した方針などの結果は、必然であるわけですのでね。

私がこの話をプレスリリースとして聞いた時には、残念ではありましたが、それは単に私は聞く側であるわけで、実際に運営し、収益にならなければ意味が無い中では、不本意ながらに無視せざるをえないギークリーな拘りに過ぎないって事です。それでなくとも、ラジオ局そのものはもう不要である、って意見が増えてきている中では、音質が~、って声は真っ先に無視されるのは致し方ないって所なのでしょうね。なので、私個人がその決定や方針に対して、反論はしませんし、そもそも反論は不可能です。

と言うわけで

今まで世界中の放送局で盛り上げて下さった音響エンジニアの方々

決して表舞台には姿を見せない裏方だったと思いますが、お疲れ様でした。


って事を書きながら聞いている740KHzですが、先ほどから音楽の最中、ずーーっとマイク入ったままですので、直接スタジオに電話したら、私の電話の呼び出し音までオンエアしておるではないか!( ̄▽ ̄)


暑いのは分かりますが


音楽の最中に、次のニュース原稿の発声練習を垂れ流し、自分で噛みまくってご自分でツボってご自分で爆笑しないで頂きたいです!( ̄▽ ̄)


マクドナルドがスポンサーになっている番組で、音楽の最中に垂れ流される


「なあ、デニーズの**バーガー食いたいな。誰か買ってきてくれ」


ってのはマズいでしょうて!( ̄゜▽゜ ̄)




6/24/2017

AMトランスミッター『菊水』を1000円以内で作ろう~

尚、菊水の基本は、音響処理などは一切排除し、最も最低限の構成ですので、これだけを使ったからと言って、流石に一般放送局の音がそのまま手に入る訳では有りませんので、ご留意下さい。

ラジオ受信機よりも簡単な構成のラジオ送信機。この世で最も簡単に作れるAMラジオトランスミッターです。簡単に作れると言ってもそれは、オモチャレベルではなく、放送局品質とまでは言いませんが最低限、実用に耐えうる品質を基準としています。尚、品質を更に落として、歪もうが何しようがとにかく音が乗れば良い、という部分にまで基準を落とす場合は、適当にYouTubeを探すと、作っている方々が多く居ます。ですが私は、実用レベルと言うのが最低条件であります。







回路を見て頂くと分かりますが、発振器回路ICの16ピンにご注目。ここには本来、このICを動作させるのに必要な電源(VCC)が接続され、規定の5Vが供給されます。しかし、この回路では電源からは変調トランスを介して16ピンに入れています。そして、トランスの1次側には、LM386オーディオアンプの出力が接続され、このトランスの2次側を通過する電源電圧を直接上下させて、振幅変調を実現しています。本来ならば、発振器の後に、プリドライバー、ファイナル回路と続き、AMの場合はファイナル回路(理想はプリドライバー段も含めて)に対して変調制御を行いますが、元々が水晶発振である事から、余程で無い限り、周波数がずれる事はありません。よって、このような回路でも充分にAMを実現可能なのです。但し、これと同じような発想で、コルピッツLC発振回路、PLL, DDSなどに用いますと特性がズレまくり、周波数がずれたり、そもそも歪んだりしますわね。

[魅惑のムービー]

https://drive.google.com/file/d/0B4-VyBLOuHgeejZmVjJPd1N5QkU/view

どうですか?耳の良い人ならば、おや?なかなかではないかい?ってお墨付きを得られると思います。

動画について、OPTIMODは使用していませんが、単純なフルバンドコンプレッサーリミッター(自作のVGA方式のやつ)を使用しています。また、受信機はSONYのCXA1619チップを使用して作りましたアナログ受信機であります。

つまり、菊水送信機→CXA1619→皆様が聞いている音

になります。

[更に簡単に]


レベルメーター回路は不要だ~、って場合はこれでOKであります。

[更に更に簡単に]


オーディオアンプ部分なんて不要だ~、って場合はこれでOKです。お手持ちのお気に入りアンプのスピーカーラインを、変調トランスへと直接ぶち込んで下さい。あなたのアンプがBTLだったとしても大丈夫。トランス1次側の2線は、そのままアンプの+と-に接続出来ます。

[更に更に更に簡単に]


オーディオアンプなんて持ってません。尚且つオーディオアンプ回路を作るのが面倒です。PCのヘッドホン出力ならあります。

そんな時は、トランスを1:1で、600Ω:600Ωなどのライントランスを使えば、もしかすると行けるかも知れません。

因みに、私の調べた限りでは、実用レベルの品質(周波数安定度、変調品質)を保った上で、尚且つ世界で最も簡単に、入手性がとても良い部品のみを使って作れるラジオ送信機は、この菊水シリーズであります(このブログ執筆時点)。一言言わせて頂くと、実用レベルである一般的なスーパーヘテロダイン方式のラジオ受信機を作るよりも簡単であります。

[PCB配置の一例]


プリント基板を作成しても、ユニバーサルPCBでももちろんOKです。何だったらもう部品同士をそのまま配線する木の板上に空中配線で作ってもOK。扱うのは発振回路では20MHzが絡みますが、凡そは1MHz程度ですので、多少は引き回しても大丈夫で、特に発振回路は配線さえ間違わなければ、99%、誰でも発振させる事が出来ます。トランジスターで作るコルピッツ発振回路なんかよりもよほど簡単に発振させる事が出来るのも、今回採用しましたロジックインバーター式(ゲート式)の良い所であります。

LPFが存在していないように思えるかもしれませんが、出口にあるマッチング回路にて、それを同時に再現しています。

[主要な部品

74HC4060 (\40)
http://akizukidenshi.com/catalog/g/gI-08607/

LM386 (\60)
http://akizukidenshi.com/catalog/g/gI-10583/

ST-32 (\540)
http://akizukidenshi.com/catalog/g/gP-09618/

変調トランスとして用いる8Ω:1200Ωのトランスは、日本製ですと\540となかなか高価ですので、2次側が2KΩ以内ならば、他の安い中国製トランスでも使えます。今回紹介しましたのはあくまで日本国内の入手先です。

[使える水晶


USING XTAL     > Output Frequency

18MHz          > 1125KHz
18.432MHz      > 1152KHz
20MHz          > 1251KHz(closer)
20.045MHz      > 1251KHz(closer)
23.040MHz      > 1440KHz
10.368MHz     > 648 kHz

12MHz          > 750KHz
12.8MHz        > 800KHz
16MHz          > 1000KHz
20MHz          > 1250KHz
24MHz          > 1500KHz


[アンテナ部分にある100p~250pトリマーは?]

このトリマー、又はバリコンにより、1mのワイヤーにマッチングを行います。本当はRF計やRF表示回路があれば良いのですが、菊水では可能な限り部品点数を減らしている為、この調整も凡そで行いましょう。適当に音楽でも流して、音割れが最も少ないところに調整してください。RFプローブ、電界強度計(正確な物でなくとも、電波強弱が見れたらそれでOK)を持っている場合は、最大出力点に合わせます。

[発振回路の説明

どうしてこれでAM放送バンドの電波が得られるのかを簡単に説明します。まず中枢であるHC4060と言うICはとても古くから存在するICであります。主に時計のクロックなどもこのIC一つと水晶発振子だけで生成できてしまう便利なICなのです。簡単に言うと、発振器とプログラマブルディバイダー(分周器)が1パッケージに内臓されており、比較的安価に入手性も良い素敵MAXなICなのです。本来は基準クロックを作り出すICなのですが、高周波的に見ますと、凡そ、中波ラジオバンドを出力する場合、なんと、50Ω負荷でも約100mWもの信号を出力します。なのでとても使い易いICなのです。

では内部を見ていきましょう。


これが4060の内部構成です。左側にはゲートユニットが内臓されておりまして、これにコイルとコンデンサー、又は水晶発振子を付けるだけで基準クロックの生成は完了。本日の残業は無しです。

そして、その発振した信号は、内部の次のユニットである、分周ユニットに入ります。ここから、

このような分周をします。分周とはつまり、入ってきた信号のクロックを間引く事を言いまして、分かりやすく言えば、何分の一するか、ってやつです。予めその、何分の一するかは内部で選択肢が用意されています。それが上のクロックチャートになります。今回私が利用したのは、赤く囲った部分ですわね。RSは発振した信号。16回振幅をカウントしたら、Q3には1回の振幅が出力されます。つまり、発振周波数の1/16の信号がここに出てきます。クロックチャートの見方は、基本的には、クロックの立下りを見ます。Q4の端子を使う場合、発振周波数の1/32の信号が出力されます。応用される場合は参考にして下さい。で、このQ3の端子に出てくるのは、16MHzを発振した場合は、1/16ですので1MHz、つまりは1000KHzの信号が出力されます。本来はそれをプリドライブ段とファイナル段にて増幅し、それど同時にそこに音声による信号の上下を付け加えて、AM波を作ります。正しくは、DSB-WC(搬送波付両サイドバンドの)信号になります。がしかし、菊水ではこの発振器の電圧自体に振幅変調を掛けています。電源電圧の違いはそのまま、出力端子に現れます。詳細は割愛しますが、大まかにはこれで振幅変調が出来上がります。後はマッチング回路を経由して、アンテナ線に給電されますが、同時に、フィルターとしての特性と、更にはマッチング回路でもあります。マッチング回路と言うのは同時に、短縮アンテナ回路にもなります。短いアンテナでも効率よく電波を発射できますが、そうは言いましても、中波バンドの電波の波長から理想的なアンテナの長さは180mにも達しますので、180mアンテナを使用するところにたったの1m程度のアンテナを使うのですから、マッチングが取れたとしても今度は輻射効率と言うパラメーターでは犠牲になります。しかしこれでも10m程度はサービスエリアになるとは思います。日本国の微弱電波の範囲に余裕で治まる事請け合い。私個人としては100mほどは余裕で飛んでほしい所ではありますが^-^;。

[トランスの1次側2次側

厳密に言いますと、一般的なトランスは、減衰比で表しますので、私の「2次側が2KΩ以内ならば」と言う表現は間違いです。がしかし、回路構成上、音声入力側が8Ω、そして変調と言う目的側が1200Ωと言う事から、便宜上、1次側、2次側を逆に表記しました。なので、実際にトランスをお求めになる場合、片側が2KΩ以内、もう片方が8Ω付近のトランスならば、どのような物でも使える、と捉えてください。


今回のような用途では、逆に捉えても全く問題は有りません。それは、流す電流が非常に低い(5V / 100ミリアンペア程度)ので大丈夫なのです。これがもし、AC110V電灯線などの高圧を扱う場合には(数アンペア)注意が必要であります。

なぜ電灯線では問題になるかは

単純に、抵抗負荷と消費電力と発熱の関係で捉えます。100Vを10Vに降圧するトランスの場合は、巻き数比もそれに近くなります。実際にこの巻き数やオーム数ではありませんが、ここからは表現として分かりやすい例えにしますが、

100回巻き : 10回巻き

これでAC100V → AC10Vへの降圧を達成させています。では、10回巻き側にAC100Vを繋げば、反対側の100回巻き側には10倍1000Vが出るのか、と言うと、答えは「Yes」です。

しかし、それでは危険なのです。

理由は


こういう事でありますわね。




5/18/2017

簡単AMラジオ送信機~AZUKI~(第二回目)

実用的なAMラジオ送信機、AZUKIシリーズ。

[コンセプト]

1: 可能な限り部品点数を少なく
2: ほぼ全世界の微弱電波範囲に収まる
3: 入手が容易な汎用部品のみで構成
4: 拡張性を持たせてる事で、拘れば更にグレードアップ可能

[製作]

最低限の機能と最低限の構成のAMラジオ送信機。それ故に周波数は入手できる水晶発振子に依存します。

[ケース加工]




ケース加工については、各々が使い易い入れ物をご用意下さい。私はウォルマートで2個1$で販売されている木箱です。今回は何時もとは違い、ブラックにしてみました。普段はブラウンなのですが、ブラックにすると少し上品さが滲み出ますね。ラッカースプレーでシューです(♥^-゚)v



5/14/2017

簡単AMラジオ送信機~AZUKI~(第一回目)


実用的なAMラジオ送信機、AZUKIシリーズ。

[コンセプト]

1: 可能な限り部品点数を少なく
2: ほぼ全世界の微弱電波範囲に収まる
3: 入手が容易な汎用部品のみで構成
4: 拡張性を持たせてる事で、拘れば更にグレードアップ可能

[製作]

最低限の機能と最低限の構成のAMラジオ送信機。それ故に周波数は入手できる水晶発振子に依存します。


電源は5Vです。USBバスパワーから取っても大丈夫なくらいに、低消費電流です。勿論、ACアダプターなどから5Vを作ったりしてもOKですが、FM送信機と違い、電源電圧が上昇しますと、電波に乗る音声信号が歪んだりしますので、5V、高くても6Vまでで使用します。と言うより、74HCシリーズのロジックICを使用する関係で、HCシリーズの最大動作電圧7V以下で使用する必要がありますのでご注意下さい。どうしても12Vなどで使う場合、レギュレーター7805などで5Vを作って供給しなくてはなりません。

[拡張製作]

電波出力が最大に調整できるように、LEDによる簡易出力調整回路をつけました。LEDが最も明るくなるように60~150pFのバリコンを調整しましょう。所謂RFプローブのような物です。


各コイルはマイクロインダクターやパワーインダクターでOKですが、フェライトコアで製作してもOKです。コアに巻くUEW線は、あんまり太すぎる物だと、所定の回数が巻けませんので、お奨めなのは0.5mm~1mm幅のUEW線です。

[150uHコイル]

FT-50-43 : 17回巻き
FT-37-43 : 19回巻き

[470uHコイル]

FT-50-43 : 30回巻き
FT-37-43 : 33回巻き

[アンテナ]

直線的にピーンと張る形で、150cmの長さのケーブルにマッチングします。尚、出力部のマッチング回路により、アンテナワイヤーを長くすればするほど飛距離が伸びる事はなく、例えば3mのワイヤーを使った場合はマッチング範囲外になり、逆に飛距離は短くなります。正しく150cmにマッチングできた場合は、凡そ10~20m程度のサービスエリアになります。

[飛びすぎて気持ち悪い]



そういう場合、出力部分にある510pFと並列に、50~100Ωの抵抗を配置して下さい。アンテナの長さを短くして飛距離を抑えようとすると、マッチング不良により、音声品質として歪んだりします。


災害時に強いAMラジオ、と言うのは都市伝説

災害時に強いとされているのはあくまで受信側視点なのです。もし、送信所がダメになった場合、小型で持ち運びすら余裕であるFMラジオのほうが、総合的に見ますと災害時には強い事になります。

AM放送の送信所とアンテナは、とにかく巨大で、持ち運びは不可能。

FM放送の送信所とアンテナは、小型で、一式をワゴン車に詰め込めるレベル。

尚且つ、例えば100kwの送信出力を持つ場合、AM放送の100kwと、FM放送の100kwでは、確実にFM放送に価値が出ます。まず飛距離。AM送信の場合、理想的なアンテナサイズは100mを超えます。方やFM放送の場合、大きくても2m程度のアンテナサイズでOK。更にサイズを大きくして10mくらいで設計した場合、アンテナ利得として輻射効率を上げる事さえ出来るバンドなのです。

もしAM放送の送信所が災害により破壊されてしまった場合を考えますと、簡単に持ち運べるレベルのFM送信のほうに緊急時の有効性が発揮されます。

しかも災害時に必要な飛距離と言っても、遠方にまで届くAMよりも、近場に届くFMで十分に足りるのです。

受信機の普及率としての問題も挙げられますが、現代においてはそれはほぼ無視して良いのです。1970年代頃ですと、まだFM放送受信機の普及率はそれほど高くはありませんでしょうが、現在ではそのような事はなく、寧ろ送信側では簡単に予備送信機器を備える事もできるFM放送に、緊急時、災害時の軍配が上がってしまいます。

そして、そのFM放送ですら、災害時の有用性が疑われています。そんな物を緊急時、災害時に死守するよりも、IPネットワークを死守するほうが、実際のところ大いに有効度が高いのです。それは、普段から身に着けている物として、モバイル端末が挙げられます。スマホ、ガラケーを含めて、そういった物が緊急時、災害時に使える事を守り抜くほうが、よっぽど良いのです。中にはFM放送受信機能を備えた端末もあるでしょうが、徹底はされていません。ただ、緊急時、災害時の放送そのものは必要でありますね。IPネットワークを通じてそれらの情報を受け取るわけですのでね。ですがその伝達方法として、AM放送やFM放送を最優先に死守する、という方向性には疑問を感じざるを得ない時代になってきています。

統計としまして、もし、地震や津波が発生し、家庭内の電力が失われた場合、あなたなら真っ先に何をするか?

その答えを統計しますと、そこにAMラジオ、FMラジオを聴く、という人と、スマホで情報収集する、という人、どちらが多いかを見てみますと、それが答えになります。

4/27/2017

AMラジオ放送の電波を作ろう

AM放送の電波を作るのは、実は電波を作り出すと言うカテゴリーにおいては比較的簡単に出来ます。単純にコイルとコンデンサーと、少しの増幅素子と優しさの組み合わせで構成するコルピッツタイプでも、Qの問題もありますが、コンデンサーの容量を低めに設計し、コイルに大き目のインダクタンスを持たせる事、又は、目的の値のコンデンサーを一つだけ使うのではなく、複数のコンデンサーを並列で用いる事により、外部温度変化による容量変化を分散させて周波数の安定度を得る、なんて事も出来たりするバンドです。元々、1MHzと言うのは言い換えると1000KHz。高周波と言うよりも超音波です。増幅素子も、どれが使えるかなーー、などと言ってデーターシートを探りつつトランジスターなりFETなりを選ばなくても、例えば1MHzを発振させるのに使えるトランジスター、って観点で捉えると、

「逆に聞きたいが、たかが1MHzを発振させる事が出来ないトランジスターって何ですか?」

って言っても過言ではないくらいに、トランジスター、FETなら何でも使えますよ、っていう世界なのです。発振させた電波を増幅する場合もそうですが、正直、汎用として誰でも知ってる2222や3904を1つ使っただけで、0.5W~1Wの出力を得られます。なんだったらもうディスクリートで設計されているオーディオアンプの回路に、発振器からの出力を繋いで上げるだけでパワーアップできます(実際には多少は変更必要)。

物凄く極端に言うと

市販のオーディオアンプの入力端子に、発振器出力を繋いで、スピーカー端子にアンテナを繋いでボリュームを目一杯あげれば送信機の出来上がりなのです(実際にはオーディオアンプ内に、音声周波数帯域である20Hz~20KHzのフィルターが入ってる場合は無理、と言った細かな部分はあります)。

余談ですが、最近主流であるPWM技術(正しくはPDM)を使ったAM送信機の場合、増幅器の回路はほぼほぼ、昨今主流のD級、デジタルオーディオアンプそのものだったりします。

面白いのが、赤ちゃんの鳴き声をハイビットサンプリングして、そのまま逓倍波を取り出すだけで、AM放送の電波が得られる、ってのもありますが、技術系の人だと、「それ当たり前でしょ」ってなりますが、そうでない場合は俄かにオカルト化する、と言った面白い世界でもあります。

さて

では本題。



【最も簡単にAM放送電波を得る/4060編】


この4060と言うのは、CMOS4000シリーズの一種です。ノーマルのCD4060、ハイスピード低電圧版の74HC4060。現在でも時計のベースクロックを作り出す際にも使われていますね。と言うのは、4060は内部に発振器、分周器(Divider)が内臓されていまして、非常に便利なICなのです。ちなみに、74HC4060の場合は、50Ω負荷で約100mWの出力が得られます。流石にその状態での連続使用はマズイでしょうけど、電波発振器として捉えると非常に扱いやすい出力なのです。勿論そこにバッファやボルテージフォロワなどでインピーダンスを下げて使うなんて事も出来ます。矩形波ですので、スプリアスは出ますが、それも最終的には送信機の出口にLPFなりチューニング回路を付ければ解決です。或いはもう4060の出力部分にBPFを付けてしまうのも良いでしょう。

そして

CD4060の場合、トランジスター3個の簡単なバッファ
を付ける事で、簡単に1W~2Wもの出力を得られてしまいます。勿論、トランジスターは2222などでOK。



【最も簡単にAM放送電波を得る/4069+4040編】


一見して複雑そうに見えますが、各部を見てみると実にシンプルです。


まずインバーターが6個入ったCD4069(5Vハイスピード版だと74HCU04)の下側3つのインバーターで、水晶発振させます。どうして3つのインバーターを使うかと言うと、出来るだけローインピーダンスで発振させる事が目的です。1つだけ使っても良いのですが、折角6つも入っているんですから、使っちゃいましょう。そして、その出力は、分周器のCD4040に入ります。4040は単なるカウンターICですが、同時にそれは分周器としても使えます。4040に入ってきた信号は、1/2, 1/4, 1/8, 1/16と入った予め内部にセットされているフリップフロップ回路において、間引きされます。原理は簡単で、入力されるクロックが1秒間に8回のパルスならば、1/2端子からは1秒間に4回のパルス、1/8端子からは1秒間に1回のパルスとなって出てきます。単一の分周だけで良いのならば、下にある4接点スイッチは不要で、必要とする分周端子と10KΩを直結すればOK。

さて、10KΩを通った信号は今度はまた4069の上側3つのインバーターに入ります。ここで、LPFを形成するか、又はLPFを使わずに済ませるか、その切り替えスイッチを付けていますが、LPFを使わないならば4069の11,12ピンをそのまま繋ぐだけでLPF部分は無視して下さい。そして、最終的には4069の8ピンが、発振器としての最終出力になりますが、当然ですが端子には1/2VCCの電圧が乗算されています。これを0.1uFのコンデンサーで阻止し、短絡した際の保護も兼ねて10Ωを通して最終出力となります。出力は約100mW(50Ω)。

Option Bufferはお好みで。これを付けると出力は700mW以上になります。

って事で、早速実験ユニットを作って実験しましょう。

まずは、回路全体を15Vで駆動させます。水晶発振子は9.000MHzを使用し、分周比は1/8端子から取り出しています。つまり、最終的に得られるのは9.000/8=1.125MHz(1125KHz)です。上記は1125KHzで約100mWの出力が得られていますね。

因みに9KHzステップの国で、この回路で使う事の出来る水晶発振子は

4.500MHz
4.608MHz
5.760MHz
10.368MHz
11.52MHz
23.04MHz
9.000MHz
9.216MHz
18MHz
18.432MHz

これらは、1/4, 1/8, 1/16の分周でAM放送バンドの電波を出す事が出来ます。比較的入手し易い物のみを列挙しましたので参考にどうぞ。

74HCシリーズは5V動作が定格で7V程度が限界です。それに対して4000シリーズは20V程度までを動作電圧としています。当然ながら出力される振幅もHCシリーズよりも大きくなっており、送信機として構成する場合は74HC版ではなく、通常の4000シリーズを使いましょう。勿論HCシリーズが悪いと言うわけではなく、HCシリーズは5V動作で4000シリーズよりも高い周波数まで対応していると言う利点もありますのでね。

さて、今度はOption Bufferを繋いでみます。700mW程度の出力にアップするはずです。

はい、ご覧の通り、7・・・・


え?


( ・д⊂ヽ゛


( ; ゚Д゚)



しゃっちょさん、しゃっちょさん、最近少し頑張り過ぎではありゃしませんかいΣ(・∀・;;;)。

1.5Wて!Σ(・∀・;;;)


ちなみにですが、Option Bufferの各抵抗は、通常の1/4W抵抗だとかなり熱くなります。下手すると触れないくらいに。なので実際に採用する場合は、並列接続で指定の抵抗値を得るか、元々を1W抵抗などの高電流抵抗を使うようにしましょう。

って事で、このOption Bufferでは出力の制御がし辛いので、この出力はちょっと使いづらいって場合は、適当にアッテネーター回路などをOption Bufferの後にでも設けて使って下さい。

尚、Option Bufferは、4069出力に乗っている直流成分をバイアスとして使用して動作していますので、Option Bufferの入力にカップリングコンデンサーを入れると動きません。どうしても入れる場合は、Option Bufferの最初のトランジスターにご自分でバイアス抵抗などをVCCから引っ張ってきてください。



【まとめ】

今回は単純なコイル、コンデンサーによるコルピッツタイプ、本格的なPLLやDDSは紹介しませんでしたが、AM放送バンドの電波を作り出したり、それをパワーアップすると言うのは比較的に簡単に行えます。AMで言うとキャリア(搬送波)の生成ですわね。

じゃあAMの難しい部分は?

それは、この作り出した電波に変調をかける、という部分であります。

何となく変調をかける、ってのならば、この後に設ける変調トランジスターに加えるVCCを音声信号に応じて上下させるだけで可能です。ただ、事はそう簡単には行きません。

AMはFMとは全く違う形式です。FMならば単純に作り出された信号を適当なC級アンプなどで増幅すれば、送信出力も上がりウハウハになるのですが、AMの場合は違います。AMは、搬送波に乗せる信号レベルに応じて、出力される電波信号レベルが変化します。

簡単に言うと、この1.5Wの搬送波を次の段の変調トランジスターでAMさせると、6Wもの出力になります。凡そですが、100%変調は搬送波の4倍。つまり、1.5W~6Wまで、綺麗で直線的な増幅特性を持つ回路にしなくてはなりません。4W付近までは直線だけど、4Wを超えると増幅率が滞る、っていうような回路だと、変調レベルを上げていくと、70%音量程度から歪み始めます。かと言って、単純にこの1.5Wを減衰させて、0.5Wに抑えればOKかと言うとそうではなく、その場合、0.1W~1W付近までの特性が直線的じゃない、って場合もありまして、今度は小さい音量でも歪んだりするのです。また、そもそも変調トランジスターの能力が2Wが限界などといった物を使いますと、2Wを超えた段階で飽和してしまい、、実効電力としては下がってしまう事で結果的にパワー計では音声が入ると出力が下がると言う現象が現れます。これをマイナス変調と言ってますが、これを簡単に説明するスキルは私にはありませんので、

http://hasler.ece.gatech.edu/Courses/ECE6414/Unit5/Multiplier.pdf

これなんかは比較的簡単に書かれていますので皆さんで理解下さい。

要するに、1.5Wの搬送波がありました、と。AM変調をかけます、と。そしたら最低でも6Wを余裕で出力できる変調回路が必要です、とまあそんな感じです。


何だかんだと難しい事を書きましたが、製作物としては

1:部品点数を限りなく少なく

2:実用品質である

と言うのがポイントにありますので、もう既に帰り支度をして「二度と来るかこんな講義」とか思わないで下さいね^o^。