7/22/2017

かつてラジオ界に存在したOPTIMOD, Omnia

各プロセッサーについては以前に述べましたので今回は割愛します。

時代の流れと言うのは時として残酷である、と表する場合もありますが、AM, FMラジオ局、果てはTV局には、独自のサウンドシステムが導入されております。我が国の国営放送局ではOPTIMODシリーズの8700が導入され、最先端の音作りがされていますが、ここ最近は放送局ごとの音のチューニングは行われなくなってきています。2000年代後半までは、雇われての音響エンジニアが専属として存在しておりましたが、私の繋がりの中だけでも、その殆どが職を失っている、つまりは解雇扱いになりました。

放送局側の意向としましては、と言うか本音としましては

「音質に文句を言う人は現在では10000人に1人(全国で取得したアンケートより)。そんな部分にお金を掛けるのだったら、中身そのものにお金を掛ける事のほうが、よほど良い」

この発言は、国営放送ならば税金からの支出である事から、運営方針と国民の納得という意味では、今後の方針としての決定として認知されたわけです。更に民放局でも同様、各放送局の運営は非常に厳しい状況であります事は、私のようなボランティアを除いてはほぼ解雇になった、と言う話からも窺(うかが)い知れます。

では実際には音作りという物はどうなってしまうのか?

実はこれについて、OPTIMODの開発元の意向としては、過去に使用されて来た音質設定が独自に集計され、音質プリセットとして新しい機器に投入されて来た訳です。今後は、デフォルトプリセットで一本化させよう、と言う、実質的なアイデアが出されつつあります。

音響部分の導入、機器入れ替えについて今後は、放送局窓口のお姉様や、送信所の掃除をするクリーニングスタッフでも、たったの30分で出来てしまう簡単な構成になります。また、メンテナンスや機器の故障予知に至るまで、遠隔監視での作業が可能で、こちらも所定のソフトウェアで可能になっております。

唯一問題となるのが、クラシック音楽寄りの放送局。

これについても最初からClassicsと言うプリセットにて瞬時に最適化された音になり、最近ではHD Radioにも同時に対応するようになっていますので、音を全く知らない人でも、マニュアル通りに操作すればそこで作業完了。時間帯によってもプレセットを変更する事が可能ですのでね、遠隔で。

もう、音にコストを掛ける時代ではない

と言う事なのでしょう。中には今も尚拘っている放送局もありますが、今までの、少なくともアナログ・プロセッサーを使い続ける事は実際にはコストが掛かってしまう傾向になり(HD radioとの同期が難しい)、そのコスト捻出問題から果たして、アナログ機器を使い続ける、いや、使い続ける事が『可能な』放送局は一体どれほどの数があるのか、という疑問に対しては、「う~ん」と声を唸らすばかり。

実は、放送局ごとに音が微妙に違う、と言うのはあまり好ましく無いという見方をする人のほうが実際には多いのです。仮に砂漠地帯を放送エリアの大部分を占める放送局が、灼熱の砂漠にマッチした音作りをしているとしましても、果たしてそれが実際にそうであるという効果を生んだ験しが無いのです。あくまでそれは放送局が明示的に出している「拘り文句」にしか成って居ないわけです。

音圧戦争と言われた時代は終焉を迎え、これからは多少なりとも音質が劣化したとしても(HD radio)、内容で勝負しなければ生き残れないと言う時代に突入しているわけで、これはもう時代の流れである、と言えましょう。

「いやいや、一人でもその拘った音に好意を抱いている人を裏切っては成らないぞ!時代に流されないのもラジオには必要だ」

と言う人も実際にはアンケートでは聞こえていましたが、私から一つその方に向けて言いたいのは

「そういうあなた、今そのコメントをスマートフォンで投稿していますよね?時代の流れの中で生まれたスマートフォンで」

と言う。便利な物は独自にバンバン取り入れている割には、たかが放送局に「流されるな」と言うのも中々に滑稽だったりします。まあ勿論反論は有って然りですけど、やはり少数より多数での選択を取るのが放送局としての姿勢。勿論それは、その一人の意見をないがしろにしての結果ではないのです。下した方針などの結果は、必然であるわけですのでね。

私がこの話をプレスリリースとして聞いた時には、残念ではありましたが、それは単に私は聞く側であるわけで、実際に運営し、収益にならなければ意味が無い中では、不本意ながらに無視せざるをえないギークリーな拘りに過ぎないって事です。それでなくとも、ラジオ局そのものはもう不要である、って意見が増えてきている中では、音質が~、って声は真っ先に無視されるのは致し方ないって所なのでしょうね。なので、私個人がその決定や方針に対して、反論はしませんし、そもそも反論は不可能です。

と言うわけで

今まで世界中の放送局で盛り上げて下さった音響エンジニアの方々

決して表舞台には姿を見せない裏方だったと思いますが、お疲れ様でした。


って事を書きながら聞いている740KHzですが、先ほどから音楽の最中、ずーーっとマイク入ったままですので、直接スタジオに電話したら、私の電話の呼び出し音までオンエアしておるではないか!( ̄▽ ̄)


暑いのは分かりますが


音楽の最中に、次のニュース原稿の発声練習を垂れ流し、自分で噛みまくってご自分でツボってご自分で爆笑しないで頂きたいです!( ̄▽ ̄)


マクドナルドがスポンサーになっている番組で、音楽の最中に垂れ流される


「なあ、デニーズの**バーガー食いたいな。誰か買ってきてくれ」


ってのはマズいでしょうて!( ̄゜▽゜ ̄)