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こちら(「アナログOPTIMOD導入してまぁ~す。デジタル機には出せないアナログのよさが有りま~す」とかいうアホども達)もどうぞ
で本題。今回は、広島のコミュニティーFM。もうここでは名前挙げても良いですよね。ってか隠蔽体質である日本に、ズバっと切り込みます。実際に周知させる事で、改善への運びとなれる事を願って、名前を出しますが、東広島FMとかいうコミュニティーラジオです。しかも、全てかどうかは分かりませんが、リスナーからの「音が割れている」などの明らかな放送品質に問題がある報告すら無視し、音が頗る宜しく無いっていうのは、ラジオを愛する人の中ではワリと通っているようなのです。しかも、本来有ってはならない、ステレオドロップ現象+歪み付き。
私は、かつて、これほど酷い音のラジオを聞いた事がありませんでした。そもそもコミュニティーFMラジオというのは日本だけでして、その概念からして我が国にはありません。出力も20W以下という小さな物。しかしですね、100MHzバンドってのは理想的なアンテナ長を波長から計算しますと、概ね1m程度で済んでしまうバンドと言う事もあり、つまり簡単に言うと、その長さのアンテナさえ使用すれば、理想のサービスエリアを簡単に構築出来るのです。比較として、MWバンドのAMラジオの理想アンテナ波長は、160m。つまり、160mのアンテナを設置して始めてその放射効率が得られます。勿論、アンテナ自体のマッチングを保持し、送信機へのミスマッチングによる戻り波を抑える事は、それよりも小さなアンテナでも可能です。所謂ローディングコイルってやつです。そのコイルを使う事にょって、160m必要なところ、僅か3m程度にまで小さくする事が出来るのです。ただ、アンテナとしての整合(マッチング)が取れても、実際にアンテナから放射される電波の量は、本来160m時に空中へと放射される電波の1%程度になります。
アンテナには、複数段の主エレメントを接続し、多段アンテナ化する事で、アンテナ利得を稼いでる物も存在します。多段コリニアアンテナなどが代表例。又は、同じアンテナを複数使用した、所謂スタック形態でも同様。
しかし
160mもの大きさのアンテナを160mの間隔を開けて複数個設置するとなると、送信所の土地面積も広く必要になります。あまり理想的とは言えません。しかし、それとは違い、100MHzバンドですと、波長自体が短いわけですので、小さなアンテナを多段接続、又はスタック化させる事も容易で、概ねFM放送ではほぼ標準的である円偏波アンテナも大抵は複数個使われます。最近撮影してきた写真で恐縮ですが↓
(FM送信用(1KW用)円偏波2スタックアンテナ。アンテナ上下の幅は1.2m)
如何に小さいかが分かります。つまり、大きな送信所を必要とせず、特に100W以下のLPFMならば、スタジオがあるビルの屋上にでも設置すれば、そのビルの高さからのエリアは相当な物になります。ぶっちゃけ言うと、免許云々は別としても、アマチュアラジオの初級ライセンスレベルの知識で、尚且つ高層アパートメントに住んでれば誰でも開局できてしまうのです。ただ、そこはやはり、しっかりと電波を管理し、電波の品質などを含めたマネージメントが必要にはなりますでしょう。
しかし
この東広島FMには、そのマネージメントにおいて、聊か疑問であるのです。確かに、FMは、そこまで高音質にする必要はありません。FMだからと言ってステレオである必要性も無いのです。トークが多いAMラジオの補完FM局は、日本ではステレオの率が高いようですが、意味が分かりません(我が国ではモノラル局のほうが多い)。補完局の話しはまた別の機会にしますが、このFM局、
歪むんです!
音楽が主体で歪むのでしたら、単に試聴者が遠のいて、はい終了っていうお手軽末路でしょうけど、コミュニティーFMは、地域密着型の情報発信媒体ってのが大義名分。つまり、情報発信は声が主体となるわけです。しかし、もし、サ行の発音に対して音が歪んで、その一文字が聞き取れなかったら、一体どうするのか、です。実際はそこまで深刻な例えでは無いでしょうけど、このFM局のスタッフは、自分のところの音を、キッチリとエアモニタリングしたのか?っていう疑問さえ浮かぶレベルなのです。
OPTIMODのアナログ機わ~、デジタルでわ~、出せないぃ~良さが~あるよねぇ~、とかいうアホの話の時にも挙げましたが、サービスエリアの違い、つまりコミュニティーFMであろうが、大電力局であろうが、んなもん関係あるかボケ、って事なのです。 勿論、放送局だけの話ではなく、それを監督すべき機関の怠慢である、とも言えるのです。
恥晒しとはならぬよう、今後の改善を願いたいところです。
でですよ、本題です。恐らくは、この系統の音だと思います。
今まで作ってきた各種送信装置については、このような音になる特性の物は一つも無く、ってかそんな特性の物がケースに組み上がったら、それ失敗作です。回路設計自体を見直してます。なので゜、必然的にそんな品質の送信機は手元にはなく、再現しようにも無理だと思ってたのですが、
作りました。
と言っても、以前のGFモジュールに、±100KHz程度(FM放送は±75KHz変移)まで変調する事の出来る回路を付けて、Atmegaマイコンで音響処理を簡易的に作り出しました。
ポイントは、幾ら最悪の東広島FMだとしても、送信機に関しては、小学生の工作レベルってわけではなく、ちゃんとしたメーカーの物を使用していると仮定します。だとすると、そもそも送信機には、FMステレオのパイロット信号である19KHzへと、音楽などの信号が干渉しないよう、LPFが入っている、とこちらも仮定しておきます。だとすると、そのLPFはとりあえず取り外さない事にし、その上で、予想されていた、
フルバンドコンプレッサー
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EQで高音を少し持ち上げている
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送信機(プリエンファシスは50usと仮定)
この形態を保持しつつ、やってみたのがこちら。
実はカーペンターズのTop of the Worldは、パーカッションのハイハットの音が鬼のような倍音を含んでおりまして、案の定、9KHz付近に出現するパーカッションの音に反応して、ステレオへの干渉が確認出来ております。ただ、この倍音成分は、特に特殊というわけでもなく、パッシブ2ポール程度のLPFでも十分に取り除く事が出来るような物なのです。
つまり
送信機に突っ込む音を、めっちゃ頑張って余計な事さえしなければ防げているはずの歪が、東広島FMには存在するようなのです。勿論、受信チューナーにもよるでしょうけど、私が受け取ったレポートでは、概ね、据え置き型のチューナー(音声出力に19KHzがもれ出していてちょっと質は宜しく無い)と、カーチューナーによる受信レポートでした。両方でこの東広島FMの音が時折歪み、ステレオドロップが発生してました。
余計な事をしなければならない理由が分からないところではありますが、確かに、LPFが介入しますと、高音域は犠牲になります。しかしながら、その犠牲も込みで、最低限のFM放送の品質であり、そこからお財布に余裕があれば、OPTIMOD, Omniaなどのプロセッサーを導入すれば良いのです。
以上です。