4/16/2017

超簡単AMラジオトランスミッター/ 飛鳥S1 (Build1)

プロトタイプ回路図(今回の回路で製作した物は、大抵の国では合法出力となってます)




今回はAM放送用送信機、飛鳥S1の第一回目。
基本部分のみは、500円程度で製作できるように目指しています。勿論、オモチャではありません。拡張ビルドとしては、後段にリニアアンプを接続し、大電力とは行かないまでも5W程度の出力を目指せれば良いかなと思います。

今回の回路のみですと、流石に実用にはならないくらいの飛び無さ過ぎですので、いずれはアンテナを工夫しなくてはなりません。しかしながら、1/4波長としてのアンテナエレメント長は180mを超えますので(FM放送では1m程度)、仮にマッチングが正しくおこなえたとしても、輻射効率は良くないです。FM放送では、必要なエレメント長が1mと言う事もあり、1mの長さならば実用としてのアンテナが設計できます。しかし、AM放送で真面目にアンテナを設計しますと、長さは180mになり、180mの長さ、又は高さのアンテナを設置できる人はあんまり居ないと思います。

そこで、短縮コイルと言う物を使い、正確には違いますが50%程度に輻射効率が落ちるのが90mの長さ。1Wをそこに入れると0.5Wがアンテナから出て行きます。18mアンテナを使用する場合、短縮コイルを使用してマッチングを行った場合、1/10の輻射効率、つまり1Wをそこに入れると0.1Wがアンテナから輻射されます。1.8mの長さのアンテナならば、1Wを入力すると0.01Wが輻射されます。少し乱暴な表現をしましたが、凡そはこういった感じで、アンテナを短くすればするほど、AM放送帯においては実際の輻射効率は落ちて行きます。

こういった問題をどうするか、と考えると、とりあえずパワーを上げるというアプローチが理想的でありますわね。但し、一応は1Wと言う送信電力は、微弱電波の範囲を超えてしまいますので、法律的にはアウトである事も頭の片隅に置いておきましょう。

余談ですが、1.8m程度のアンテナで、このアンテナから実際に1Wの電波を出力しようと思うと、50~70Wの電力をぶち込まなくてはなりません。FMトランスミッターとは違い、こういう部分も、ニッチな分野に留まる要因の一つでありますわね。