この汎用と言う言葉がお嫌いな方もおられるとは思いますが、まあまあ^^;。で、汎用のトランジスターならば昔から変わらず2222, 3904又はこれらのコンプリメンタリが有るのですが、実際特別な理由が無ければ汎用の域を出なくても良いと言われています。
で、オペアンプなのです。
LM358と2904は単電源で使いやすい物。フルスイ~ング。オーディオ用途には向かない。でもオーディオに使うと良い感じのLoFi感を出します。要するに歪むわけです。
左上の3つは最近主流になって来ているかもしれない事も無いかもしれない物。汎用よりもちょいとお高い物。JFET入力だったりとか広帯域だったりとか。
TL082, 072, 062はJ-FET入力としては有名。ただ、フィルターを形成する場合は寄生発振し易いです。
M5216, 4556ADは、内部出力段が強化されており、これ単体だけで32Ωヘッドホンを数百mWと言うヘッドホンでは比較的大電力まで出せます。勿論、±15V~18Vと言ったオーディオ業界標準の電圧での駆動が出来ます。要するに、ダイアモンドバッファが無くてもOK。ダイヤモンドバッファを使うのならそもそもこれらを使わないほうが良いでしょう。
では私の中での汎用は何か、と申しますと、実はM5218だったりします。写真ではSIPパッケージしか写ってませんが当然DIP8、SOP8パッケージもあります。なぜM5218が私の中で汎用なのか、いや、汎用だったかと言うと
実質は4558との完全互換と言われてますが、厳密には発振し難いのが5218のほうです。かなり無茶な回路を設計しても例えば4558で発振したとします。それをそのまま5218に差し替えると発振が止まると言う事から、実際には4558とは違ってます。完全互換ならば5218に取り替えても発振してしまうはずなのです。但し、静電容量負荷には若干弱い気がしました。つまり5218で発振した場合は4558にすれば収まる、という経験からの話。
4556ADやM5216は元々はヘッドホンアンプ用に改良されて登場したオペさんであります。特にM5216は産業機器の中を開けたりしますとヘッドホン駆動用に搭載されている事も多く、御存知の方も多いかと思います。ですが、左上3つはともかくそれ以外は非常に古い1980年代から存在するオペさんですので、近年に登場した物と比べると陰が薄くなっているのも事実でありますわね。
特に近年のは1.2Vから動作するような低電圧駆動物も多くなってます。更には、50MHzくらいまでそのまま使えるようなLM7171などと言った物も登場しております。
しかし、ピュアオーディオに拘ったりしなければ、概ねはオーディオならば4558、単電源やDCをメインに扱うならばLM358、高周波ならば7171の3つくらい覚えておけば大抵は事足りると言うのは今でも変わっておりませんわね。