現在、アナログ技術は不要です(←え?言い切る?)。
かつて、アナログ技術は重要で必要不可欠なのは1世紀ほど続くだろう、とか言ってた当大学の、しかもIT科の教授(2014年に38歳で他界)でしたが、今現在、周りをよく見てみると、アナログでなければ実現不可能な事って、見当たりません。
数年前に、これはデジタルではちょっと難しいだろう、って言われてた物を挙げると
[音を扱う音響アンプ]
これもD級アンプと呼ばれる物が登場して数年経過しました。スピーカーの手前まで、デジタル信号で来てます。物理媒体を駆動させるのにデジタル信号ですよ!
[ラジオ]
そもそもこのラジオって物がアナログ電波からデジタルへと移行しつつあります。そして、この電波を受信する装置の、電波の入り口から既にデジタル。実質的には電波をそのままA/DしてDSPで処理してます。所謂、DSPラジオと呼ばれる物がそれですね。
[ラジオ放送の送信機]
アナログの電波を作り出すのに、今ではフルデジタル。DDSにより発振させ、DSPにより実際の送信する電波を制御(変調など)し、その後にくる増幅回路においても、デジタルトランジスターなどによるスイッチングが基本。この分野で最先端を行ってるのが、Harris社。
DSPで何でも出来る時代なのです。
そもそもデジタルと言うのは、アナログの中にある物です。アナログの中途半端な部分を切り離して、Yes, No, の集合体にした物がデジタル。後はそのYes, No,を時間経過の中でリズミカルに表せばそれでOKなのです。定められた設定値になってればYes, そうでないものは全てNo,と言った実にシンプルな考え方なのです。元々シンプルな考え方なので、たとえそれが集合しても、必要な情報と不要な情報もハッキリと分ける事が出来、最適化もしやすい物です。その一旦となってるのが、圧縮。ZIPに始まりMP4の時代へと。勿論、カットされた情報により、気持ち悪さを感じる人も居るでしょうが、概ね人間は、その程度の受け取りしか出来ないのです。まあ、そんな媒体に感化されてしまった、とも言えますが、よくデジタル圧縮メディアの視聴テスト、と呼ばれるものが開催されますが、ハイスコアを示したエンコーダーに、多くの人が「原音に近いね」と評価しているあたり、その程度なんだ、って事です。因みに、今では希少な音楽CDも実は圧縮されている、と言っても過言じゃないのです。コンサートホールで人間が直接聴くオーケストラは、現在でもそれをそのまま音響機器で完全再現する事は出来ません。それを如何にコンサートホールで聴く音に近づけられるか、という観点を趣向にしているのも、所謂オーディオマニアと呼ばれる方々なのです。しかし、完璧に再現するのは不可能。
今、コンサートホールで演奏された音をそのままマスタリングし、CDに録音したとします。
そしてそれを、別室の音響ルームで、更に限りなく再現性が高い音響機器で再生したとしましょう。
それでもコンサートホールの、あの直接耳にした音とは違うはずです。
[アナログは難しい]
ごもっとも。デジタルのシンプルさに比べたら、アナログの複雑さに加えて、殆ど「こんなの無駄じゃね?」って思わせてくれる部分が多いです。現在の必要とされているアナログ技術と言えば、ノイズ対策程度だと思いますが、実はそれも、デジタル回路を工夫すれば何とでもなるのです。特に、先程挙げましたDSPラジオ。放射されるデジタル回路ノイズをDSPで受信し、その信号をメインのDSPへと戻して除算すれば、実質的にノイズを完全に消す事が可能です。
アナログ技術としてノイズ対策が必要だ、って言うのは、まだ混在しているアナログ回路が悪いのです。世の中全てがデジタル化されれば、そんな対策は実質不要になるのです。ノイズまみれの世界にはなるでしょうが^-^。
ただ、アナログは不要って冒頭に記述しておいて何ですが、唯一デジタル化できない物、とするならば、それは
人間などの生物
です。SFの世界のようですが、将来もし人間がデジタル化されれば、もうアナログなんて存在意義を全く失います。人間がデジタル化、と言いましたが、これは、所謂物理的なカラダを持たない電子生命体。自宅はHDD(或いは半導体メモリー)の中ってところでしょうか。寿命も永遠になりますし、デジタル化による恩恵は歴史上、最大の物となるでしょうね。2015年現在、人間の脳をデジタル化する事については実現できてません。少なくとも私が生きている間にはこの技術は確立しないでしょう。
兎にも角にも、私達はデジタルに向かってます。
デジタル化は無理、と言われた物がデジタル化する、と言うのは、かつて人が自由に大空を飛び回ることはSFである、としていた時代の考えと似ているのかもしれません。未だ確立していない何かを見ようとすれば、それは想像でしか方法はありません。しかし一旦確立してしまえば、それは当たり前になってしまいます。
「君ってまだカラダあるんだ(笑)」
「俺、頭の記憶容量アップグレードしたよ」
「性感帯アップグレードしたらヤバい」
今はまだSFです。